⑨ 4月30日(土) 大宮健保グラウンド
~プレーオフからジャンケンへ、死闘を制しガンバロウ大会2回戦へ~
春のガンバロウ大会が開幕、聖地大宮健保グラウンドにビッグアプセット戦士13名が集結した。
久々の朝田、そして内藤さんが応援に駆け付け、イイジャン相手に試合開始。
相手を飲んでかかる勢いで先攻を選んでの初回、試合前の予想に反してイイジャン先発の快速球に何とビッグアプセットの黒田、石井、山下が連続三振。
その裏、イイジャン先頭打者のショートゴロで橋本の送球がランナーと交錯して桜町が後逸しいきなりノーアウト二塁のピンチ。しかし先発石井が冷静にランナーを牽制で刺しピンチを脱する。
2回、ビッグアプセットは黒須、橋本、桜町が連続三振に打ち取られ6連続三振。その裏の石井も負けじと投飛、三振、三振で試合は1点を争う投手戦の様相を呈する。
3回、先頭芝田のサードゴロでようやく前に球が飛んだものの村上、田中も三振で無得点。
4回、西村、黒田が連続三振で何とここまで打者11人のうち10人までが三振のパーフェクトを喫する状況。ここで2番石井がフォアボールを選んだものの山下がまた三振。
そして4回裏、ワンアウトの後二順目となったイイジャンの先頭打者のライトへの打球が新入団・田中の頭上を越すツーべース。2番フォアボールの後、3番にセンター右にはじき返され先取点はイイジャンに。更にイイジャンのドカベン香川を彷彿とさせるファーストランナーが意表をついてセカンドに走ったところで石井が思わずむかっ腹をたててしまう。キャッチャ―村上のセカンド送球を一旦カットした後セカンドに投げてランナーを刺そうとしたがショート橋本は前進守備、セカンド黒須はベースに入れず無情にもボールは無人のセカンドベース上を通過してセンターへ。この間にサードランナーが帰ってしまい2点目を失う。
イイジャン先発の速球をカットすらできずここまで三振の山を築いたビッグアプセット打線であったが5回、先頭黒須が三遊間を破る初ヒットで反撃を開始。ところが次打者橋本のセカンドベースよりのゴロが最悪のゲッツーとなりあっという間にチャンスは遠ざかり重苦しい雰囲気が漂う。
石井が味方の反撃を信じて力投を続け三者凡退とした後の6回、先頭の監督芝田がやってくれた。ようやく球威が落ちてきた高めのボールを思い切りたたくと打球はレフトの右で大きくはずみグラウンドを転々。サードコ―チャー冨永の右手が大きく回り芝田が一気にホームを駆け抜け1点を返す! ベンチが大いに盛り上がりビッグアプセット打線に火がついた。8番村上がデッドボールで出塁しすかさず二盗。ここで田中の右におっつけた打球がライト前に落ちると村上が一気にホームインして同点に追いつく。田中はセカンドでタッチアウトとなったものの、10番西村は推定10球以上ファールで粘った末に技ありの三遊間ヒット。更に1番黒田のあたりもレフト前のポテンヒットとなる。ここまで全力投球の好投を続けてきたイイジャン先発も流石に疲れが見えがっくりとなり、3番山下にフォアボールを与えツーアウト満塁で主砲黒須の登場。絵に描いたような逆転への筋書きにベンチの期待もいやがうえにも高まるが、黒須の三塁へのファールフライがイイジャンサードの好捕にあい惜しくも無得点。
試合が振り出しにもどったところで6回、7回と両投手が一歩に引かず2対2の同点のまま、試合はビッグアプセット史上初のプレーオフへ。
ワンアウト2・3塁、打順は好きな人からとのルールに従い、芝田監督は三塁ランナーを1番黒田、二塁ランナーを2番石井、そしてバッターボックスに三番山下を送りこむ。
一球一球が手に汗を握る中、山下の打球は無情にも浅いライトフライとなり何とセカンドランナー石井が帰り得ずダブルプレーとなり先攻のビッグアプセットは無得点。
後攻のイイジャンは10番、1番をランナーとし2番バッターを打席に送る。犠牲フライでよし、スクイズでよしとイイジャンが有利、ビッグアプセットは絶体絶命のピンチであったが、芝田監督の「勝負は家に帰り風呂に入るまでわからない。集中心!」の檄のもとプレイがかかる。
好守ところを変えて一球一球に皆が固唾を飲む中、イイジャンのサードランナーがしきりに飛び出しついにバッターが三振、そしてサードランナーも挟殺にとって見事に無得点。
ビッグアプセットの球史の中でも稀に見る好勝負の行方は遂にジャンケンに持ち越された。
ホームベース前に両チームが整列し、ポジション順の9回戦勝負開始。VTR大友、カメラマン大河原も加わり全員が見守る中、ピッチャー石井、キャッチャ―村上が相次いで倒れ0-2で暗雲が立ち込めたが、ファースト桜町、セカンド黒須が連勝で2-2に追いつく。大歓声の中サード芝田が勝って3-2とリードしたのも束の間、ショート橋本、レフト山下が連敗で逆に3-4の劣勢。センター黒田は負ければ終わりという崖っぷちの中、パー、パーの連続から思い切ってグーに切り替え、チョキに切り替えた相手との頭脳戦を制し4-4。全ての期待を背負ってライト田中が力を込めて繰りだしたパーの相手のグーがぶつかった瞬間、ビッグアプセットの勝利が確定した。
苦しい苦しい試合をものにし、まるで優勝したかのような狂喜乱舞の中、MVPには石井が選ばれ、記念写真の後、毎度おなじみ大宮味太郎で祝宴が開かれ次週の健闘を誓い合って夜は更けていったのであった。
~監督談話~
ビッグアプセット史上に残るシビれる試合だった。自慢の強打線が剛速球投手相手に三振の山を築いた序盤、1点勝負と思った中盤に2点目を先制されたとき、プレーオフの表の攻撃がダブルプレーで終わって絶対絶命のピンチに追い込まれたとき、さらにジャンケンで逆大手をかけられたとき、何度も勝利を諦めかけた。それでも、『野球はゲタをはいて家に帰って風呂に入るまで分からない』という名言は生きていた。
改めて冷静に試合を振り返ってみると、やはり石井さんのピッチングを中心とした守り、これが相手を2点に抑えたことが大きい。試合後にも言ったが「最大の勝因は負けなかったこと」で、石井さんの気合の入ったピッチングと、それに応えた守備陣の守りが最後まで試合を締めた。それが勝利につながったと思う。また攻撃面でも、田中さんや西村のしぶとい打撃がチームに光明を与えた。ビッグアプセットはこの試合でひと回り大きく成長したと思う。2回戦以降の戦いに勇気を与える試合だった。
~ジャンケン分析~ by大友
全員が最初に出した手は、グ-5回・チョキ7回・パ-6回と、ほぼ平均的なことがわかる。しかし、最初がアイコとなった場合に、2回目はグ-6回・チョキ0回・パ-6回、さらにアイコとなった場合の3回目は、グ-3回・チョキ1回・パ-4回と、明らかにチョキが少ない。また、全ての対戦を見ても、グ-15回・チョキ9回・パ-16回と、明らかにチョキが少なくなっている。従って、今回の対戦に限ると、パ-最強説となる。勝敗結果も、グ-3勝・チョキ0勝・パ-6勝となっている。ただし、初回にチョキのアイコが9回戦中3回と多かったので、そういう傾向となったとも言える。いずれにしても、少ないデ-タ-の結果なので、断定的なことは言えないが、最初はそれぞれのフィ-リングで出して、もしアイコになった場合は、パ-を出し続けるというのが、今回の結果の分析からは見えてくる。