④⑤ 2月3日(土) 大泉中央公園野球場
強豪ゾディアックとのダブルヘッダー。開幕3連勝が真の実力なのか、はたまたラッキーが続いただけなのか――。真価が問われる2試合となったが、ビッグアプセットは投打ががっちりかみ合い、最高のパフォーマンスを披露。昨年4連敗を喫した宿敵に痛快なリベンジを果たした。これで破竹の開幕5連勝!新生ビッグアプセットはアクセル全開で2月も連勝街道を突っ走る!!
第1試合の初回裏の攻撃がすべてだった。表の守備でエラーから1点を失ってしまったものの、今のビッグアプセットは全く動じない。先頭の黒田がいきなりレフトオーバーの豪快なツーベースでチャンスメークすると、2番芝田も強振せずにミートに徹した技ありのバッティング。この打球がグングン伸びて左中間を真っ二つに破るタイムリーツーベースとなってまず1点。さらに山下、桜町が連打でつないで2点目をゲットすると、仕上げはパパ間近の充実窪田だ。豪快な打球はセンターを深々と破る2点タイムリーツーベース!怒涛の速攻で4点の先制パンチをゾディアックに浴びせた。
3点のリードをもらった楠本は変幻自在のピッチングで強打のゾディアックを手玉に取るナイスピッチング。ストレートを両コーナーに投げ分け、相手が直球を狙っていると見るや、カーブで翻弄するクレバーさは鮮やかの一言。楠本の好投に守備陣も応える。黒田が強烈なライナーをダッシュ一番好捕すれば、山下が左中間を抜けそうな長打性の当たりを体を張ってワンバウンドでキャッチ、単打に止める。
守りでリズムを作れば、攻撃に好影響を与えるのはいわずもがな。それを証明するかのように、5回裏には黒田・橋本・山下がヒットを連ね、ダメ押しの2点を挙げ勝負を決めた。
楠本は、終わってみれば散発2安打・自責点ゼロの完璧なピッチング。手練手管の強豪が相手だけに、この日の出来は、より一層輝きを増す。まさに「完勝」と呼ぶにふさわしい、投打がガッチリかみ合った最高のゲームだった。
第2試合は白熱の投手戦となった。連敗だけは避けたいゾディアックはエース中川投手を立ててきた。抜群のコントロールとコンビネーションに好調ビッグアプセット打線もチャンスを生かせない。楠本の好投に触発された末永も、ヒットは打たれるものの粘り強いピッチングでゾディアック打線を何とか0点に抑える。守備も見事だった。2回には山下がヒット性の当たりを地面スレスレでスライディングキャッチすれば、キャッチャー熊野もキャッチャーフライを素晴らしい反応でダイビングキャッチして末永を盛り立てる。5回までスコアボードには「0」が10個きれいに並んだ。
均衡が破れたのは、6回表。先頭の快足黒田が相手のエラーを誘い一気にサードへ進塁。千載一遇のこのチャンスに、またも窪田がやってくれた。センターへ値千金のタイムリーを放ち、どうしても欲しかった先制点を手に入れた。しかしさすがゾディアックも歴戦の勇者だ。その裏、末永は先頭打者を死球で出してしまうと、ツーアウトランナー2塁から、打球はライト前へ。これが太陽に入り、無情にも楠本の前でポトリ。セカンドランナーが生還し同点に追いつかれてしまう。
しかしドラマはその後に控えていた。7回表のビッグアプセットの攻撃。楠本が執念のセンター前ヒットで出塁すると、果敢に二盗!
これが大きかった。ここで熊野がレフトを越える会心のタイムリーツーベース! 楠本が生還し逆転すると、さらにツーアウト2塁から真打ち大河原がセンター前へクリーンヒット! 熊野がホームを駆け抜け、ベンチは蜂の巣をつついたようなお祭り騒ぎとなった。
3対1と2点差をつけて最終回のマウンドに立った末永だったが、勝ちを意識して四球、死球と走者をため、さらにタイムリーを浴び 1点差に迫られる大ピンチ。しかし最後はショートへの難しいゴロを好守橋本が華麗にさばき、なんとかゾディアックを振り切った。
終わってみれば、熊野のヒットはもちろん、大河原のタイムリーが大きかった。全員野球で接戦をものにしたこの勝利も、第1試合に勝るとも劣らない価値あるものだった。
試合後は「とんでん和光店」で祝勝会を敢行。ビールをがぶがぶ、ごはんをモリモリ、デザートもバクバク胃袋に流し込んだナインの表情は、超満足げだった。昨年4連敗、通算でも2勝12敗だったゾディアックに連勝した事実は、村上監督を中心に研ぎ澄ませてきた守りの野球が開花しつつあることの証明だ。来週からも強豪との戦いは続く。さらなる高みを目指して一人ひとりが精進していこう。今年こそは野球の神様が、ビッグアプセットに微笑んでくれるにちがいない。
~監督談話~
昨年、どうしても勝てなかった強豪相手の2連勝。気持ち良いね。
楠本、末永がよく投げ、バックがしっかり守った。また打つ方では、ここというところでタイムリーも出たし、‘つなぎの意識’を各人もっていたことが好結果に繋がった。1試合目は特に上位打線が迫力を見せつけ、2試合目は大河原のダメ押しタイムリーが皆に勇気を呼び込んでくれた。2試合とも投打が噛み合った理想的な勝ち方、本当に良い勝利だった。これからも、決して自分らに酔うことなく、こういう試合をやって行きましょう。