(43) 12月10日(日) 東村山市運動公園野球場
冬の強い日差しの中行われたリアルノーティー戦は、残り2戦を残したビッグアプセットにとってシーズン勝ち越しを賭けた戦いとなったが、最後の1点が守れず・取れずで無念の引き分け、初のシーズン勝越しは夢と消えた。
1点を先制されたビッグアプセットは初回裏、福原、芝田がともに四球でチャンスを作るとすかさず三番山下がレフト前へタイムリーで追いつく。2回には飯田、末永の連打の後、佐藤肇が絶妙のセフティバントで生き満塁とすると一死後、みずほ証券四番の助っ人岩崎が手堅く犠牲フライ、その後の3四球で合計3点を挙げ勝ち越すなど、理想的な攻撃を見せた。ところが相手投手が速球とフォークボールを駆使する二番手に交替した3回以降は打線が沈黙、どうしてもダメ押し点が奪えない。
一方、先発楠本は初回にアンラッキーな連打などで先制点を奪われたが、2回・3回は無安打2三振と、博多転勤後も節制を怠らない生活振りを感じさせるピッチングで試合を優位に運んでいた。4回、先頭バッターにツーナッシングからレフトオーバーに二塁打され、続く打者にはショートへのアンラッキーな内野安打。こうしたピンチで何とか二死まで凌いだが、最後にレフト前へタイムリーを打たれ2失点で1点差に詰め寄られる。シーズン勝ち越しへ必勝を期す桜町監督代理はここで末永へスイッチ。1点差の残り3イニングを、末永→橋本のnew JFKリレーで乗り切る構えを見せた。
末永は捕手佐藤の強気のリードに応えてカーブを封印し、全球ストレート勝負という、オールスター戦での阪神藤川を思わせる強気のピッチング。リアルノーティーにつけ入る隙を与えないかと思われた6回、久々に投げたカーブがすっぽ抜けて先頭打者に死球を与えてしまう。盗塁を与えた後、次打者へはレフト前へ運ばれノーアウト1・3塁の絶体絶命のピンチ。ビッグアプセットは必殺バックホーム体勢で必勝を期すが、次打者の緩いピッチャゴロが一塁へ送球される間に三塁ランナーが果敢にスタート、桜町からの渾身の返球及ばず、遂に同点に追いつかれてしまった。
それでも勝利への執念を見せるビッグアプセットは最終回二死の土壇場から、助っ人岩崎がセンター前へはじき返すと続く福原もライト前へ運びツーアウト1・2塁とサヨナラの見せ場をつくる。ここで二番芝田にサヨナラの期待がかかったが、最後は相手投手の渾身の速球に手が出ず三振、無念のゲームセットとなってしまった。
惜しくも勝利に手が届かなかったが、守備面では収穫があった。相手チームは果敢に次の塁を攻める走塁でビッグアプセットを再三脅かしたが、その中でサードランナーを二塁末永が矢のようなバックホームでタッチアウト、同点後のワンアウト三塁のピンチでは鋭いサードゴロを芝田が体で阻止し、佐藤との冷静な挟殺プレーで相手の勝ち越しを阻止。また久々先発捕手出場の佐藤肇も相手の三盗を見事な送球で刺して肩の復活をアピール。そして何よりも、最終回に初めて登板した橋本が、ホップする速球で押しまくり、1イニングを無安打1三振でクローザーとしての存在感を見せつけ、病気療養中の監督村上に新たな勝利の方程式を提示することになった。
一方攻撃陣では、首位打者を独走する山下が2安打と依然好調を維持。みずほ証券から助っ人の飯田は安打以外にも火の出るセンターライナーを放つなど圧倒的存在感を見せ、またもうひとりの助っ人岩崎も、相変わらずの職人技の右打ちで貴重な犠飛と安打を放つなど、千代田区リーグ2部昇格のみずほ証券の手強さを感じさせた。また最終回二死からの連打でのチャンスメークなど従来にない粘りも見せた点は光明だが、結局はチャンスでの芝田、桜町の不振が痛かった。
残るは最終戦、相手は強豪ブルースだが、今回見せた手堅い守備、相手にくらいつく攻撃で是非ともシーズン5割達成に向けて総力を結集したい。そんな思いを暖中小平店で満腹のなか誓い合ったビッグアプセットナインであった。