⑳ 7月19日(土) 天王洲公園野球場
「初対決の相手に、大勝で昼間のリベンジ!」
この日2試合目のグランドは、大河原が1年間抽選に外れ続けた末に、ようやく初めて確保した天王洲グランド。午後7時試合開始という、 この季節にはピッタリのナイタ-で、昼間とは打って変わって、夜風が気持ちいい。相手は、この日初めて対戦する夢旗ジャイアンツ。大の巨人ファンが集まって作ったチ-ムということで、ユニフォ-ムもジャイアンツと まったく同じである。大の阪神ファンである芝田監督代行にしてみれば、絶対負けられない相手だ。ベンチも、山下の奥さんと内藤さんが 応援に駆けつけてくれて、華やいだム-ドの中、試合は始まった。
この日の先発は、今日が終業式だったという谷上。その1回表の立ち上がり、速球を武器に2三振を奪うなど、ジャイアンツ打線をピシャリ抑える。また、久しぶりにキャッチャ-を守る木全も、大きく声を出すなど、なかなかの名捕手ぶりで、監督代行の期待に応える。そして1回裏、いきなりビックアプセット打線が爆発する。
先頭黒田と2番橋本が連続フォアボ-ルで出塁すると、3番芝田が人工芝を生かした 大きなバウンドで、サ-ドの頭を越すレフト前ヒットを放ち、2点を先制する。さらに、山下が四球で出塁すると、この日も打撃絶好調の桜町が、 左中間に2塁打を放ち3点目。続く木全の犠牲フライで4点目。さらに、末永のセカンドゴロの間に桜町が帰り5点目と、いきなりビックイニングを作る。
大量援護をもらった谷上は、2回表も2三振を含む三人で斬って取り、3回もあっさり三者凡退と、まさに絶好調。いいムードでつなぐ。
打線は2回裏、黒田がサ-ド強襲のヒットで出ると、芝田が同じような3塁線を破る2塁打で1点を取る。続くバッタ-は山下。実はこの日、 応援に来た奥さんから、「ホ-ムランを打ったら、ハンバ-グカレ-を作ってあげる」という、ニンジンをぶら下げられた山下は、秘かに一発を狙っていた。 その山下の当たりは、鋭い当たりのレフトへの大飛球。行ったかと思われたが、実はこの球場、レフト側が狭いために、レフト・センタ-間は グリ-ンモンスタ-ばりの、大フェンスが設置されていた。普通のグランドなら、ホ-ムランになってもおかしくない当たりだったが、山下の打球は残念ながらその大フェンス直撃の、ヒットになってしまう。それでも、この山下のヒットで芝田がホ-ムインし、この回2点目。さらに、今日は振ればヒットという勢いの桜町が、レフト前ヒットで続き3点目。2回で大量8点差をつけてしまう。 さらに続く3回も打者一巡の大爆発。四球とエラ-で出塁した走者を、この日投球絶好調の谷上が、ライト前ヒットで一人返して1点目。 さらに黒田がサ-ド内野安打で2点目。そして芝田が四球で出塁すると、山下がセンタ-前ヒットで二人返して3・4点目。さらに、もう止まらない桜町が、 ライトオ-バ-の2塁打を放ち5点目。そして、名キャッチャ-ぶりを披露した木全が、レフト前ヒットでさらに2得点。この回7点・計15点と、 まさに昼間の鬱憤を晴らすゲ-ムとなった。
先発谷上も、4回にエラ-がらみで1点は失ったものの、4回を6奪三振と好投。5回から引き継いだ楠本も、2回を無失点でピシャリと抑え、ナイスリリ-フ。終わってみれば、20対1という、力の差を見せつけた試合となった。
打線の方も、全体的によく打ったが、特筆すべきは桜町だろう。第一試合も、好投手小島君から大三塁打を放つなど、2安打。第二試合も、第一打席からいきなり3連続安打。第4打席も、レフト前にきれいに打ち返したが、あまりに当たりが良すぎて、ファ-ストランナ-の山下が、 セカンドでフォ-スアウトになる不運となってしまったが、本来であればヒット。そして締めくくりの第五打席も、見事なレフト前クリ-ンヒットと、 この日だけで6安打の固め打ち。まさに絶好調であった。 監督代行の芝田も、この日1勝1敗となんとか重責をはたし、ホッとした様子。「第一試合と第二試合を通算すると、25対18で今日は勝ちと言える」 という理屈はどうかと思うが、第二試合はあとホ-ムランが出ればサイクルヒットという好調さで、上司のスキャンダルを払拭した一日となった。試合後は、品川の天狗で打ち上げ。ドラマチックな一日を締めくくった。
~監督代行談話~
打線が本当によく打ったし、よかったのはこういう試合でもダレることなく最小失点に守りが抑えたこと。特に谷上・楠本両投手の丁寧なピッチングが光った。こういう試合は、自分のペースを崩すことなく、きっちり勝つことが大切だけど、それができたのは大きな収穫だった。またこの日は黒田、木全の両キャッチャーがきちんと対応してくれたのも大きかった。