(21)10月2日(土) 浮間公園野球場
主力メンバーを大量に欠いたビッグアプセットは、それでも野球のない週末を回避すべく投手と4番を中心とする大型補強を敢行、強豪NYWウィザーズに挑んだが、投打に渡る大物助っ人の活躍と、急造チームとは思えないまとまりの良さ、緊張感ある試合運びで圧勝した。
先発は元韓国プロ野球OB(現 斗山)ベアーズの朴。切れのある速球と鋭いスライダーを武器にウィザーズ打線を翻弄、2回にエラーで出たランナーを置いてタイムリーを浴びたものの、7回を4安打7三振1四球自責点ゼロという素晴らしいピッチングを披露した。また朴の気合の入った投球ぶりに守るビッグアプセットナインも高いテンションを維持、4回・5回と続いた2死2・3塁のピンチも堅実な守備でしのぐなど、極めて緊張感のある試合展開となった。
攻撃面では、相手サイドスロー投手の鋭いスライダーに苦しみ、3回まではみずほ証券からの助っ人の岩崎、神野の活躍にもオリジナルメンバーが応えられず重苦しい展開となった。ところが迎えた4回、ツーベースの芝田を2塁に置いて、元ヤクルトスワローズドラフト3位、大学時代は佐々木(ベイスターズ)、岡林(スワローズ)、小宮山(マリーンズ)、矢野(タイガース)といった層々たるメンバーとともに全日本を張った黒須が、インサイド低めのシュートを見事に強打、打球は推定飛距離100メートル、レフトフェンスを軽々と越える大ホームランでビッグアプセットは一気に逆転、試合の流れをつかんだ。7回には今度は死球の黒須を1塁に置いて、朴がインハイのカーブを左中間スタンドへ高々と打ち込み、ビッグアプセットは強力助っ人の2発で一気に突き放す。その後も攻撃の手を緩めず、死球の神野がすかさず盗塁、これを大友がセカンド後方へ落とす執念のタイムリーヒットで返し、オリジナルメンバーの維持を見せた。さらにエキシビジョンとなった8回には、先頭楠本がライト前ヒットの後2盗塁で3塁へ進み、四球とエラーで一死満塁としたあと助っ人岩崎が今日2本目のライト前ヒットで1点、さらに朴の犠牲フライで加点するなど、オリジナルメンバーと助っ人が見事に噛み合った攻撃で完勝となった。
今日の勝因はもちろん助っ人4人の硬軟合わせた大活躍であり、その意味では大型補強を敢行したフロントの勝利とも言えるが、技術とモチベーションの高い助っ人陣のプレー振りにオリジナルメンバーも大いに刺激を受けて高いテンションを維持、それが結果的にチームとしての力を発揮したと思われる。
来週からは主力アテネ組もチームに復帰する予定であり、日韓プロレベルの刺激を受けた残留組ともども、それぞれ貴重な経験を積んだナインが残りのシーズンにどういう野球を展開するか、非常に楽しみになってきた。
※個人打率は通算成績ですが、チーム打率はその試合の打率です