⑫ 5月7日(土) 春光スポーツ倶楽部
午前中の曇り空がウソのように晴れわたった青空の下、ビッグアプセットは好守に歯車がかみ合い、ほぼ完璧な試合運びでトレボンズとの再戦に圧勝。怒涛の4連勝で今季成績を8勝4敗の貯金4とし、最高の状態で合宿に突入することになった。
この日のMVPは文句なしに楠本だ。9回をわずか109球で完投。被安打4、四球2、自責点0と前回に続き素晴らしいピッチングを披露し、完全にピッチャーとしての地位を確立した。特に緩急のつけ方と冷静なマウンドさばきは特筆もの。それも普段の地道なトレーニングの賜物と言えそうだ。今後は、どんなトレーニングをしてこれほどの進歩をしたのか、毎日どんなものを食べているのか…みんなのためにもぜひぜひ情報公開をしてほしい。いいよね、楠本!
打撃陣もすごかった。初回、いきなり黒田がレフトオーバーの推定飛距離100mの特大弾で相手の度肝を抜くと、4回には4番桜町も右中間へこれまた完璧なツーランホーマー。さらにはエキストラで行った11回には助っ人開出もセンターオーバーのホームランと、合計3本塁打で圧倒した。
また、守備でもライト熊野がヒット性の当たりを素早くさばいてライトゴロに仕留めたり、村上が日本ハムの小笠原ばりのダイビングキャッチを見せるなど、充実の一途。とにかく好守ともに冴えわたり、強くなっているなあと実感できる試合だった。
これで4連勝と破竹の勢いのビッグアプセットは、次週いよいよ合宿に突入する。調子がいい選手はもちろん、調子を落としている選手も、この合宿でたっぷり打ち込み、ノックを受け、さらには飲んで騒いで楽しんで、野球の楽しさを満喫し、個人個人の課題をクリアして実力アップを図ろう! 合宿を終えたとき、チーム力はさらにアップしているはずだし、ロッテのようにもっともっと連勝を伸ばそう。
試合後は神宮球場のヤクルト対ソフトバンクの交流戦を観戦。新垣と川島の投げ合い、五十嵐の剛速球、城島のホームラン…プロ野球のいいところを各自が感じて、自分のプレーに生かそうとしていた。社長大友も多忙な中、神宮に馳せ参じ、合宿に参加するかどうか迷っている大河原を叱咤激励。試合には参加できなくても、その軽妙洒脱な発言でチームを大いに盛り上げてくれた。また、闘病中の朝田も家族そろって神宮に顔を見せてくれた。その元気そうな表情にナインもホッとしたと同時に、大いに勇気づけられた。