④ 2月4日(土) 東調布公園野球場
3対3の同点で迎えた7回裏、ツーアウト1、3塁。カウントツースリー。1番末永が鋭く叩いた打球は何かの意志を持ったかのようにセカンドの左横を抜けセンター前へ。サードランナーの福原が小躍りしてホームインし、ビッグアプセットの2試合連続サヨナラ勝ちが決まった。
昨年度38勝14敗の強豪品川オリオールズに挑んだ冒険マッチは、誰もが予想だにしない結末を迎えた。手荒い祝福にもみくちゃにされる末永をはじめ、ナイン全員が自ら成し遂げた最高のエンディングに酔いしれた。
試合は6回表に2点を失い、3対1とリードされたが、ここでズルズルいかないのが、粘りを身上とする今年のチームの特徴だ。反撃は6回裏のツーアウトランナーなしからだった。春先はエンジンのかかりが遅い芝田が執念で四球を選びチャンスメークすると、絶好調山下が火の出るようなレフトへのクリーンヒット! このチャンスに昨年度打点王の5番櫻町がセンターの頭上を越える会心の一打を放つ。この当たりでセカンドランナーの芝田に続いて、一塁から山下が長躯ホームインするスーパンランを披露、ついに同点に追いつく。チャンスに強い櫻町の打撃といい、山下の好走塁といい、これしかないという最高のプレーがここぞという場面で飛び出し、ムードは一気に最高潮に達した。
そしてドラマは最終7回裏へ。引き分け寸前のツーアウトランナーなしから、福原が変化球を泳ぎながらもレフト前へポトリと落とす執念の今季初ヒットで出塁すると、相手牽制球に飛び出しながらも、躊躇なくセカンドに猛スライディング! この気迫に気圧された相手野手のミスを誘い、チャンスが拡大。さらに村上が死球で続き、福原がさらに三盗の離れ業。まさにアグレッシブの異名どおりのスーパープレーの連続で、末永の仕上げのサヨナラヒットにつなげたのだ。
もちろん最高の攻撃を引き出した先発楠本の粘りの投球と、7回を3三振のミラクルピッチで流れを引き寄せたクローザー村上の快刀乱麻のピッチング、果敢なリードでアシストしたキャッチャー佐藤のファイティングスピリットなど、全員野球でつかんだ最高の勝利だった。
また打撃では熊野が左打席でまたもや絶妙のセフティーバントを鮮やかに決めれば、西村も左中間へ会心のツーベースを放ち、守備でもセカンド橋爪が相手4番の火の出るようなライナーをジャンプ一番好捕する超ファインプレー!さらに初回のワンアウト三塁のピンチにも、セカンドゴロをさばいた熊野がホームへ素早い送球を見せサードランナーを挟殺し、ピンチの芽を摘み取るナイスプレーもあった。また大河原も三振したもののセフティーバントを試みるなど全員が勝利という目標に向かってモチベーションの高さを見せ付けた。
この勝利で今季成績を2勝2敗の5割に戻したビッグアプセット。2試合連続のサヨナラ勝ちというミラクル快進撃で、勝利を意識した村上監督のチャレンジベースボールは確実にナインに浸透していることが証明された。次は好敵手の南海ハーツが相手。昨年の12月に大勝してはいるが、そのことは忘れて、今季の勢いをぶつけ3連勝をもぎとろう。
~監督談話~
皆の試合に対する集中力が非常に高かった一戦。最後にサヨナラヒットを打った末永は素晴らしかった。感謝!感謝!その他にもヒーロー、良いプレーをあげればきりがない。全員が本当に良い活躍をした。
6回の山下の走塁、最終回の福ちゃんの二つの盗塁が特に大きく(勿論、塁に出た打撃もそれぞれ見事)、この点が相手との差となったのではと感じた。その他、チャンスメークをした西村、芝田。また、どれもツーアウトからの得点をたたき出した山下、櫻町、末永の打棒・・・。守りにおいても、初回の挟殺プレー、橋爪の強烈な打球の好捕、肇ちゃんの体を張った捌き、そして楠本の粘りの投球・・・。どれも集中力の賜物だった。それに乗らされる形で、私自身も7回のマウンドを高いテンションをもって切り抜けることができた。強豪相手にもこんな試合ができる・・・この自信、それぞれが胸に刻み込みたいね。