⑥ 2月10日(土) 下高井戸運動場
初対戦のビヨンズとの開幕第6戦。山下の先制タイムリースリーベースと村上のチーム1000安打目となるメモリアルタイムリーで2点を挙げたビッグアプセット。6回には桜町のダメ押し2点タイムリーツーベースで突き放すと、先発末永がコントロールに苦しみながらも1失点完投。守りでも久々登場の大友が強烈なライトへの打球をジャンピングキャッチする超ファインプレーを見せるなど、ノーエラーと安定した戦いぶりで無傷の開幕6連勝を飾った。
「やったーっ!」
一塁ベース上で村上が雄たけびを上げ、ガッツポーズ。1000安打の快挙を達成したのは、監督としてナインをここまで牽引してきたこの男だった。しかも橋本、山下の連続短長打で1点を挙げた後、ノーアウト三塁のチャンスがツーアウトになり、チャンスが潰えたかと思われる場面での貴重な2点目。この一打で流れは一気にビッグアプセットに傾いた。
しかし初対戦のビヨンズも攻守にまとまった侮れない好チームだった。先発の久保田投手は伸びのあるストレートと切れ味鋭いスライダーでビッグアプセット打線に立ちはだかる。また打線も選球眼よく、しぶとく食い下がってくるなど一筋縄ではいかなかった。
5回裏にはツーアウトランナー1塁から、3番の桜井選手が末永のチェンジアップをジャストミート! 打球はライト頭上を襲う強烈なライナーとなり、誰もが抜けたと思ったその瞬間、ライト線にくるだろうと読んで守備位置をライン際に敷いていた大友がジャンプ一番! 差し出したグラブの先からボールがこぼれ落ちそうになったが、絶対に落とすまいとの大友の思いが打球を上回った。
超ファインプレー! これが抜けていたら1点差に詰め寄られ、なおもピンチの場面だっただけに、大友のプレーが勝敗を分けたと言っても過言ではない。ベンチに戻った大友を、全ナインがハイタッチで祝福するほどのスーパープレーだった。
これで息を吹き返したビッグアプセットは、打線が爆発する。6回には、連打で出塁した橋本・山下の2人を塁上に置いて、前の打席で1000安打のチャンスを惜しくも逃していた主砲桜町が、その怨念をぶつけるかのようにライト線への強烈な2点タイムリーツーベース! 先制、ダメ押しと続く理想的な攻撃で、リードを4点に広げた。
先発末永はチェンジアップが不調で初回から2者連続四球とアップアップの投球だったが、要所で切れのあるカーブとツーシームを有効に使い5回まで無安打無失点。守りも堅く、このままいくかと思われたが、6回に三塁打と犠飛で1点を失い、完封は惜しくも逃してしまった。
しかし終わってみれば4対1と危なげない勝利。サード芝田、ショート橋本の鉄壁の三遊間を中心とした守りは安定感抜群。レフト山下もライン際の難しいフライを好捕するなど、一人ひとりが堅実なプレーを披露した。また、あわやホームランかと思われた打球を鮮やかな中継プレーで三塁打に止めるなど、失点を防ぐプレーも際立っていた。
これで開幕6連勝と快進撃はとどまるところを知らない。試合後は大量の焼肉を食べながら、昨年度の表彰式を行い、MVPの山下ほか各賞を受賞した選手に、村上監督からトロフィーが授与された。今年は昨年を上回るハイレベルなタイトル争いになることは必至。勝利を目指しつつ、全選手が個人記録、個人タイトルを貪欲に狙っていこう。
次戦は強豪ナインフォースとのダブルヘッダー。しかも芝田、橋本、山下の主力3人の欠場が決まっている。この正念場に、チームがどれだけ結束して勝利をもぎとることができるのか。どんな展開になっても、最後まで勝負をあきらめず、ビッグアプセットらしい粘りの野球で強豪に立ち向かおう。道は開けている。
~監督談話~
当試合のバッテリー、気合いは入っていたものの、集中力に欠けた場面を何度も作ってしまった。守っている野手はリズムが掴みにくかったと思うが、よく窮地を救ってくれました。特に、大友の好捕、レフトオーバーの長打を山下、橋本、西村、櫻町、芝田等の連携で本塁打にしなかった守りはチームの進化を感じさせるものだった。これら好守で最少失点に抑えたことが勝因の一つ。一方、攻撃においてはヒットで出た橋本を右中間スリーベースで一気に還した4番・山下の一打が大きかった。攻撃面ではお互い沈滞ムードの漂った両軍、それを3、4番の連打で一気に主導権を握ることができた。
チームは好調、こういった勝ち方を肌で感じていくことは本当に良い経験だと思う。負けられないという、良い緊張感を私自身、特に最終回の守りでは感じながらプレーしていました。次戦は昨年敗れたこれまた強豪とのダブル。ねちっこく食い下がっていきましょう。