⑫ 5月9日(土) 東京健保組合大宮運動場
<4回戦:SexySexy戦>
内藤さんから今週も縁起もののカツサンドの差し入れをいただき、これとおにぎりの昼食をとって一休みしたところで1時から4回戦である。
今日2試合目となる谷上くんがまたもマウンドに登り初回、二回と相手打線を3者凡退に討ち取った。
2回裏、ビッグアプセットの頭脳プレーが発揮された。ツーアウトからフォアボールで芝田が出ると村上がライト前ヒットで続き1・3塁。ここで村上と芝田の間にアイコンタクトが成立。村上がするすると塁を離れ、あわてた相手投手が送球した途端に芝田が躊躇なくホームへスタート、見事にダブルスチールを決めて先制したのであった。
3回裏には谷上、黒田、西村が3連打でノーアウト満塁でクリーンアップを迎える絶好のチャンス。しかしここは橋本、桜町、山下が打ち取られてしまい残念ながら無得点。それだけに少ないヒットでも確実に点を取りにいくことの重要さをあらためて銘記させられた場面ともなった。
4回裏、芝田、村上が連続ヒット、続く大友もデッドボールでチャンスを広げてワンアウト満塁。ここで谷上のショートゴロで大友は封殺されたものの、その間に芝田がホームを踏み、更にセカンドからファーストへの送球が悪送球となった間に村上が帰り、ビッグアプセットに待望の追加点が入った。更に黒田もエラーで出て1・3塁となったところで、今度は黒田、谷上のコンビによるディレードスチールが見事に決まり4点目をゲット。
しかし相手のSexySexyも流石に簡単には諦めない。5回表、センターオーバーのツーベースとレフト前ヒットでワンアウトランナー1・3塁と必死に反撃してきたが、ここは次打者のショートゴロの間のサードランナーの生還を許すのみの最少失点に抑えることができた。
そして最終回、まず先頭バッターはセカンドフライでワンアウト。次の6番打者にレフトへのツーベースを打たれ、更に7番打者にセンター前へはじき返されて、1・3塁。続く8番を警戒しすぎて歩かせてしまい、ワンアウト満塁。長打が出れば同点という最大のピンチを迎えてしまう。両チームとも今日2試合目で疲れが出ており、ここまで来ると気力の勝負である。この緊迫した場面で9番バッターの三遊間への鋭い当りをショート橋本が横っ飛びでキャッチし、立ち上がりざまにランナーの動きを素早く見てとるやいなやファーストへの矢のような送球でバッターランナーを見事に刺した。レフト前に抜けていれば2点。内野安打となった場合でも依然満塁のピンチとなるところを、サードランナーのホームインのみの1点に留める超ファインプレーであり、ナインの終生の記憶に残るに違いないスーパープレーであった。そして最終バッターの当りは長い長い滞空時間のレフトフライとなり、これが山下のグローブに納まった瞬間、ビッグアプセットの5回戦進出が決定したのであった。
MVPは1試合目が先制点のホームを踏み追加点となるスリーベースを放った黒田、2試合目は週毎の移動の疲れも見せずに終始冷静に谷上をリードしつつ2安打を打ち更にディレードスチールを決めた村上が選ばれた。
攻撃に守備に合宿の成果がいかんなく発揮され皆がそれぞれやるべきことをやった結果の勝利であったと言える。
次回は3週間後の5月30日である。ここまで勝ち進んだら優勝の2文字も夢ではない。最早やるしかないとの
決意を胸に大宮での祝勝会は大盛り上がりとなったのであった。
~監督談話~
先週のtakagi戦は史上最高の試合と思ったが、それをはるかに上回る充実した内容の試合が待っていた。2週間で4試合目で疲れが無かったとは言えないが、全員の素晴らしい集中力が結実した試合だった。
2度に渡るダブルスチールは、今大会心がけている「集中力」と「各自の創意によるプレー」が現れた最高のシーンだった。速球投手相手に振りまけないバッティング、一瞬のスキを突いた走塁、谷上くんの14イニング完投は言うまでもなく、最後の橋本くんのプレーは絶体絶命のピンチにあるナインを奮い立たせた歴史に残るプレーだった。試合終了の時の歓喜の爆発は、みんなの記憶に永く留められることだろう。