(30) 10月25日(土) 東京健保組合大宮運動場
<準決勝:リーブルス戦>
息つく間もなく13時からは準決勝のリーブルス戦である。初回、先頭黒田が技ありのライト前ヒットで出塁し、すかさず2盗を決めて早くもチャンスがおとづれる。ここで2番芝田、3番桜町の連続内野ゴロで黒田が難なくホームを踏み、効率よく先制点をあげた。
ビッグアプセットはこの試合、橋本をマウンドに送り、橋本は1回戦の谷上にまけじと気迫のこもったピッチングを披露し、リーブルス打線を寄せ付けない。橋本の気合いにバックも応え特にサード芝田はこの試合だけで7つのサードゴロを見事にさばく。
3回裏、この回も先頭黒田がまたもライト前ヒットで出ると続く芝田がセンターオーバーのツーベースで黒田を迎え入れて貴重な追加点をあげた。
この2点を守って逃げ切りたいビッグアプセットであったが、2巡目のリーブルスも必死に橋本にくらいついてきた。4回のツーアウト2塁に始まり、5回はワンアウト1・2塁、6回はツーアウト2・3塁といずれも一打同点のピンチとなるがビッグアプセットの堅い守りは得点を許さない。
しかし土壇場7回、先頭打者をフォアボールで出し、続打者はライト谷上の好守で打ち取ったもののその後、フォアボール、デッドボールを与え満塁のピンチを迎えたところで芝田監督代行が谷上をマウンドに送る。谷上はこの緊張する場面に動じることなくまず1人目をセンターフライに打ちとったが、リーブルスのラストバッターが粘った末にセンター前ヒット。センター黒田の必死のバックホームもおよばずセカンドランナーもホームインして何と同点に追いつかれてしまった。
そして7回裏、サヨナラを狙うビッグアプセットの先頭山下がセンターの頭上を越えるあたりで出塁した後の盗塁でノーアウト2塁。サヨナラのチャンスがおとづれる。橋本、村上が倒れツーアウトの場面で7番冨永のセカンドへの痛烈なあたりが相手のエラーを誘った瞬間、山下が一気に三塁をまわってホームへと突入する。両軍ベンチが総立ちで見守る中、審判の手が無情にもあがり、間一髪アウトの宣告で2対2で試合終了。
ヒートアップするドラマは大会規定により5勝先取のジャンケン勝負という次の場面が演出された。ホーム前に並んだ両軍先発9人のメンバーによる力のはいったジャンケンを繰り広げられ、ここでも勝負は4勝4敗で最後の橋爪まで持ち越された。
チームの期待を一身に背負った橋爪の「ジャンケンではグーを出す確率がもっとも高い」との読みが見事にあたり、ビッグアプセットが決勝進出を決め、まるで優勝したかのようなお祭り騒ぎ。
この試合のMVPは好守好打の芝田が選ばれ、ビッグアプセットはとうとうワンデートーナメントとはいえ念願のガンバロウ大会で決勝のステージに臨んだ。