20060422

⑰ 4月22日(土) 多摩川ガス橋緑地野球場

合宿後、待ちに待った初の実戦は、強豪ゴールドウィンを相手に思惑通りの接戦に持ち込んだものの、あと一歩及ばず惜敗。再び借金生活に逆戻りしてしまった。

自己評価が打撃4といかにも打ちそうな雰囲気を試合前から漂わせていたゴールドウイン。体格もムキムキでこりゃ~長打力ありそうやんけ、とビッグアプセットナインは冷や汗タラ~リ。しかもユニホームはシンシナティ・レッズばりの鮮やかなレッドを基調とした超カッコイイ代物とくれば、試合前から押され気味だったのも致し方あるまい。

しかし、野球はやってみなければわからないのです。初回、先頭の黒田が敵失で出塁すると、盗塁。村上が四球でチャンスを広げ、ここで3番芝田がライトへ先制タイムリー!さらに4番山下のサードゴロの間に村上も生還し、幸先よく2点をリードした。

強い相手になると萌える、いや燃える先発末永も初回から全開。といきたいところだったが、先頭バッターの内野フライが風で流され、ショート楠本、セカンド橋爪の間にポトリと落ちる不運な内野安打で出塁を許す。しかし、2番稲垣を三振、3番石井を遊飛に仕留め、ツーアウトを取る。ところが4番野村に痛烈なレフト線ヒットを食らうと、続く5番藤井に技ありのセンター前タイムリーを打たれ1点を奪われる。ここで何とか食い止めたかったのだが、6番松田に四球を与えると、7番島崎のサードゴロを芝田がタイムリーエラーを喫し、同点に追いつかれてしまった。

その後は末永とゴールドウィン飯塚の白熱した投手戦が続いたが、6回裏に落とし穴が待っていた。4番野村をアウトコース低めの快速球で見逃しの三振に仕留め、エクスタシーを感じてしまったのがちょっと早すぎたか。末永は5番藤井にこの日3本目のヒットとなるツーベースを打たれると、連続四死球で満塁のピンチに。次打者を投飛に打ち取りツーアウトまでこぎつけたものの、9番飯塚にツースリーから痛恨の押し出しを与え、勝負どころで突き放されてしまった。

しかし最終回、大河原が執念のデッドボールで出塁するど根性を見せると、一気にヒートアップ。ツーアウト1塁でバッターは黒田。一発出れば逆転サヨナラもあるぞ! と期待を抱かせた場面は最高の名勝負となった。そして結果はあまりにも劇的だった。完璧にとらえた黒田の打球は、唸りを上げて外野へ一直線! というビッグアプセットの願いもむなしく、無情にもサード稲垣が差し出したグラブにすっぽり。黒田が天を仰ぎ、試合終了となってしまった。

結果は3-2と僅差ではあったが、完敗だった。ビッグアプセットの攻撃はミスも出た。特に3回、ツーベースでセカンドに達した末永は、黒田のショートゴロに思わず飛び出し、戻ろうか邪魔しようかあたふたしている間にタッチされ、そのまま1塁へ転送される最悪のダブルプレー。その直後に村上のツーベースが飛び出しただけに、あまりにも痛いボーンヘッドだった。さらに記録に表れていないが、ランナー2塁もしくは3塁の場面でセカンドゴロを打てずに進塁や得点に結び付けられないシーンもあった。

相手投手がコントロールがよく、思うように打てないのは仕方ないとしても、そういう状況でいかに点を取るかが大会で勝てるかどうかの分かれ目となるのは間違いない。次の試合では、少ないチャンスを確実にものにして、貪欲に点をもぎとりにいく姿勢を見せよう。

もちろんいい点もあった。3番芝田は2本のヒットに加え、サードの守備でも5本の難しいサードゴロを軽快にさばき、送球も完璧。肩の状態もよさそうで、大会にピタリと照準を合わせてきているようで頼もしい限り。村上も新打法が早くも実を結び、レフトへどでかいツーベースを放つなど、手ごたえ十分といった様子。守備でも合宿で練習したカットプレーはかなりうまくいき、ファースト桜町も今までならベース付近でボーッと立ち尽くしていたところを、バッターランナーと一緒に激走し、しっかりと中継に加わっていたのが成長を感じさせた。

負けはしたものの、収穫もあっただけに、29日のダブルヘッダーではさらに精度を上げたプレーで、ビッグアプセットらしい魂のこもった全員野球を展開しよう。機はまさに熟している。

~監督談話~

大会を意識しての試合、接戦には持ち込めたがあと一歩及ばず敗戦となってしまった。あと一歩をどうすれば良いか、皆もそれぞれ考えて下さい。

私からは、この試合で見られた走塁についてコメントしておきたい。ノーアウト二塁での痛い走塁ミスがあったが、良い走塁もあった。

まず、ノーアウト二塁でセカンドランナー・末永がとび出しタッチされバッターランナー・黒ちゃんもアウトになったプレーだが、アウトカウントからすれば基本はすぐに戻れば良いだけのこと。しかし、バッターランナーが黒ちゃんだったことを考えれば、末永がとび出したことはあながち悪いプレーとも言えず、黒ちゃんを生かすことを考えたこと自体悪いアイデアではなかった。三塁に走るなり挟まれるなり、自分は死んでも、最低限黒ちゃんを生かすというプレーを今後は心がけたい。

良い走塁としては、楠本の走塁。振り逃げで出塁したのに始まり、牽制悪送球で二進、サードゴロの間に三進、更にサードゴロで本塁に突っ込んだが、惜しくもアウトになってしまった。どれも良い走塁だった。特に、二塁にいた時に三塁手が投げたと同時にスタート良く三塁に進んだ走塁は良かった。また、本塁突入の時も、果敢なスタートで、少しでも送球がそれていればセーフとのタイミングであった。敢えて言えば、この場面も直前のプレーと同じように三塁手がファーストへ投げた瞬間に突入という選択もあったかも知れない。しかし、それは結果論。いずれにしても楠本の積極果敢な走塁は非常に光った。

猪突猛進に次の塁を目指すことだけが良い走塁であるわけでない。大事なことは、ランナーにいる時に内野ゴロ(勿論、サード、ショート・ゴロとファースト、セカンド・ゴロで違うケースもあり)が飛んだら次に自分はどう動くか、また、他のランナー(バッターランナーも含め)が誰であるのか、等々しっかり考えておくということ。そして、ランナーとしてサードに行ったら、サードコーチャーとランナーで(ひそひそ話で)会話を交わし、次の打球がこう飛んだらこうしよう、ということを確認し合うようにしよう。

なかなか快打が出ない時は、走塁こそ最大の攻撃の武器と思って、それぞれが意識を一つ高めましょう。