(23) 6月30日(土) 大田スタジアム
いまや「伝統の一戦」「宿命のライバル」とも呼ばれるみずほ証券野球部戦、舞台はカクテル光線のまばゆい大田スタジアムと燃える要素にこと欠かないビッグアプセットは攻守にわたってみずほ証券を圧倒、10対0の完勝でその実力を見せつけた。
大会での必勝パターンだった先制攻撃がこの日も出た。まず初回、一死から香港赴任を控えた熊野がレフト前へヒット、芝田のライト前ヒット、橋本四球で二死満塁とすると、このチャンスに桜町がレフト前へ技ありのタイムリーでまず先制、相手のワイルドピッチもあって初回に2点を先制した。
こうなるとビッグアプセット打線はとまらない。2回には一死1・3塁から黒田がセンターへきっちり犠牲フライを打ち上げ、さらに熊野の内野安打で2点。3回は橋本の三塁打のあと西村にタイムリーツーベース、相手投手の乱調でワイルドピッチと押し出しで合計3点。4回はこの日やや緊張気味の山下がセンター前へはじき返すと、その後も相手のエラー、ワイルドピッチ、西村の内野ゴロの間にも得点し、4回までに合計10点をもぎ取った。
守っては、先発楠本が持ち味の粘り強いピッチング。毎回走者を許すも打たせる投球で相手に得点を許さない。特にこの日は、初回に無死1・2塁から西村→橋本→桜町、3回も無死1・2塁から西村がそのままベースを踏んで桜町へ、さらに4回には無死1塁から芝田→橋本→桜町と、3つの華麗なダブルプレーを完成するなど、チーム力が着実に向上してきていることを実感させた。5回からは末永がリリーフ、変化球を有効につかったピッチングでみずほ証券打線を翻弄、最終回に四死球で二死満塁のピンチを招いたがここも落ち着いてショートゴロに打ち取り、見事な完封リレーとなった。
この日は相手先発投手島田の制球難もあり予想以上の大差がついた面はあるが、ビッグアプセットの好調な打線はもちろんのこと、攻撃ではランナーを進める打撃、またアウトにはなったものの内野ゴロで二塁走者桜町が果敢に本塁を突くなど、単に打つだけではない攻撃力の向上を感じさせた。また守備面でも楠本・末永の得点を許さない粘り強い投球と、内外野の固い守備など、確実に手ごたえのあるゲームであった。
~監督談話~
宿敵みずほ証券との1戦、今年1敗し、先日は雨で途中中止にはなったが苦戦を強いられていた相手。今回は何としても雪辱したかった。大会同様に先攻を選択し、ツーアウトからではあったが櫻町が先制のタイムリーを叩きだしてくれたのが一番のポイント・・・勝因だった。その後、攻撃では相手のミスにもうまくつけ込み着実に加点し勝利を手繰り寄せることができた。また、何と言っても守りが光った1戦。内野手が3個ものダブルプレーを成立させてくれ、ライト熊野君の超美技が出ればピッチャー楠本も乗らないわけはない。きっちり0点に抑え相手にスキを与えなかった。快心の勝利だったと思います。