⑲ 5月6日(土) 東京健保組合大宮グラウンド
悲願の初勝利を目指したビッグアプセットは初戦の港南スラッガーズ戦で不戦勝という思わぬ形で勝利をゲット。しかし、2回戦の強豪THATS戦では、うまい試合運びと自らのエラー、強風による不運、ここぞという場面での打撃力の差を見せつけられての完敗。真の初勝利はまたもお預けとなってしまった。
THATSはワンデートーナメントに過去2度も優勝するなど、一発勝負の大会の勝ち方を知り尽くしている強豪。特にスキのない走塁を含めた点の取り方のうまさと堅実な守備力は、やはりただものではなかった。
初回、先頭バッターを四球で出してしまったが、ここで先発末永が執拗に牽制をして快速ランナーをファーストに釘付けし、村上が予想通り盗塁を企てた走者をドンピシャの送球でタッチアウトに葬る。相手ベンチも凍りつくビッグプレーが出て、一気に流れはビッグアプセットに傾くかと思われた。しかし、そうは問屋が卸さなかった。2番杉本の打球はこすった感じの平凡なレフトフライと誰もが思った。ましてやレフトは名手山下だ。ところが高く舞い上がった打球は、折からの強風にあおられグングン伸び、山下が懸命に差し出したグラブをあざ笑うかのように、レフトオーバーのツーベースとなり、さらに中継にもミスが出て、打者走者は一気に3塁まで達してしまった。ここで末永が踏ん張りきれず、3番木内にセンター前へタイムリーを喫し、まず1点。さらに2死後、5番斉藤の打球は左中間に。これも打った瞬間は楽勝でアウトと思われた打球が、風に乗ってグングン伸びて左中間にポトリ。あっというまに2点を先制されてしまった。
2-0のままで何とかしのぎたい末永だったが、3回に致命的な失点を喫してしまう。一番出したくないトップ佐藤のセカンドゴロを楠本がエラー。2番杉本を四球で出した後、またも3番木内に左中間へのスリーランホームランを食らってしまう。ストレートに強い強打者にカウントをノースリーと悪くした後、ストレートにこだわりすぎて打たれた最悪のパターンで、勝利の目を摘み取ってしまった。こういう大会ではエラー、四球のあとには必ず失点しまうだけに、末永はもっと冷静なピッチングをしなければならない場面だった。
攻撃も淡白だった。自慢の1、2番が相手投手陣に封じ込められ出塁できず、自慢の機動力を発揮できない。四回に敵失で1点を返し、6回には芝田が意地のホームランで2点目を奪うなど反撃を見せたものの、結局散発3安打の8-2と完敗に終わってしまった。やはりこういううまいチームには守り負けては勝ち目がない。今後は、とにかく粘り強く接戦に持ち込んで、少ないチャンスをものにしていくスタイルを完成させる必要がありそうだ。
しかし、家族で応援にかけつけてくれた朝田が「以前より断然うまくなっているよ」と言ってくれたのは心強い限り。負けはしたものの、レベルアップしているのは間違いないのだから、より強い意識を持って、秋の大会では悲願の初勝利をものにしよう。
これからは強豪とどんどん試合を組んでいくので、個々のさらなるレベルアップはもちろん、チーム力の底上げを図り、1球1球に魂を込めるビッグアプセットらしい感動できる野球を確立していこう。
~監督談話~
相手の攻撃を凌ぎながら接戦に持ち込み、最後は相手をかわしたいと思っていたが、序盤の失点が大きく、反撃する力を出しきれないまま終わってしまった。ガンバロウ野球大会、悲願の1勝が達成できず、本当に悔しく、空しい。キャッチャーとして、優位に試合を進めることができなかった自分に責任を感じ腹立たしさが募る。相手三番打者は確かに良い打者であったが、同じ打者に続けて2本のタイムリーヒットを打たれたことが最大の敗因となった。一方、攻撃では相手投手や守備力が良いと、なかなかチャンスを作れず淡白になってしまう。今後の課題として、バッティングではそれぞれが今よりも一つ二つ上のレベルを目指して取組んで行きたい。それは、もっとバットスウィングを速くし鋭い打球を打てるようになること、ツーストライクを取られた後はきわどいコースに手を出し見逃し三振を減らすこと、少なくともこの2点は各人が心掛けよう。
秋のガンバロウ野球大会での勝利を最大の目標に再チャレンジあるのみ。