膝蓋大腿症候群

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どのような疾患か?膝蓋大腿症候群という言葉は、膝の前側の痛みの主な原因を網羅した少々あいまいな言葉です。以前は膝蓋軟骨軟化症とも呼ばれていましたが、現在では膝蓋骨の関節軟骨に損傷がみられる場合のみこの用語を使います。膝蓋大腿症候群は大腿骨滑車と膝蓋骨の並び方にずれが生じて起こります。ずれはランニング、ジャンプ、その他の膝の反復運動など膝蓋大腿関節に繰り返し負担がかかるような運動によってひどくなります。

どのような症状が現れるか? 大抵の場合患者は膝の前側の痛みを訴え、その痛みは狭い場所に膝を曲げて座っているとひどくなります。(シアターサイン)典型的な場合、階段を下りる時や坂を下る時やランニングやジャンプなど膝の反復運動を行った時に痛みがあります。膝蓋骨部分に摩擦音やはじけるような音がする場合もあります。

一般的な診察所見:初めに患者が立った状態で、大腿骨前捻に伴って左右の膝蓋骨が向き合っていないか、いわゆる「膝蓋骨やぶにらみ」がないかを評価します。視診でQ角の角度が増しているのがわかる場合がありますし、足の回内または凹足がみられることもあります。このような並び方の不正が原因で膝蓋大腿症候群になりやすい傾向になっている可能性があります。膝の診察時、内側あるいは外側膝蓋骨関節面を触診すると痛みがあったり、膝蓋骨抑制テストや膝蓋骨圧迫テストで陽性の結果が出ることもあります。<青字翻訳省>診察から内側広筋(内側大腿四頭筋)が未発達である事が明らかになる場合がありますし、膝を曲げたり伸ばしたりした時に膝蓋骨が外側にトラッキングするのがわかるケースもあります。

検査と治療:膝のレントゲン写真をとってもよいでしょう。特に他の骨の異常がないかどうか確認するためにマーチャントビューで撮影するとよいでしょう。一般的な治療は大腿四頭筋、特に内側広筋の強化と機能回復のための理学療法です。膝蓋骨のテーピングや膝蓋骨用装具を使用することも可能です。足の並び具合に問題がある場合はアーチサポートなどの装具を使用することも検討するとよいでしょう。

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