緊急避妊法

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さらに、緊急避妊法に関しても、 事前に患者に説明しておく必要があると考えられます。それは、日常においてこれまで説明した避妊法を使用していた場合でも、コンドームの破損やピルの飲み忘れ、腟外射精を使用したり、避妊しなかったなどの場合に、事前に知識があることで助かる場合も多いと考えられるからです。

不幸にも、日本には緊急避妊薬としての薬剤は販売されていません。 中容量ピルを転用(ヤッペ法)したり、銅付加子宮内避妊具(IUD)を緊急挿入したりすることで対応することが多いようです。

日本においても、早期に緊急避妊薬が認可されることを切に希望します。

米国では、政府発行の身分証明書(運転免許証など)があれば、17歳以上の男女に対して処方箋なしに薬局で購入することが出来ます。

大きく分けて、2種類の方法があります。1つは、内服薬による方法、もう一つは、IUD(銅付着型)による方法です。どちらも、避妊率は性交からの時間が早ければ早いほど効果が高くなります。内服薬では最長でも5日(120時間)以内に使用する必要があります。 現在、米国で緊急避妊法用として入手できる薬剤は、商品名PlanB One-Step®です。これは、プロゲスチンのみで構成された安全性の高い薬剤です。副作用としては、吐き気や嘔吐が主なものです。もし、内服後1時間以内に吐いてしまった場合は、吐き気止めを内服した後、再度内服する必要があります。

避妊効果としては、性交後12時間以内の内服で98%ですが、5日以上たってしまうと50%程度に落ちてしまいます。

ただし、これはあくまで緊急避妊用ですので、普段の避妊法としては用いないようにすることが重要です。

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