どのような損傷か？大腿四頭筋腱の断裂は骨と腱の接続部で起きる事もあれば腱の途中で起きる事もあります。
どのような症状が現れるか？膝を幾分か曲げた状態で転倒した場合に大腿四頭筋腱の断裂が起こる事が多いです。転倒を避けようとして大腿四頭筋が収縮した時に腱が裂けたり、骨との接続部から断裂したりします。通常膝にひどい痛みや腫れを生じます。歩けなくなる事が多いです。
一般的な診察所見：大抵の場合、体重をかけたり歩いたりすることはできません。しばしば大量の浸出液がみられ、膝蓋骨の上部に欠損が見られます（膝蓋骨上部のくぼみ）。膝蓋骨の可動域がかなり増すこともあります。裂けが重度の場合や完全に断裂している場合は、膝を伸ばした状態で脚を持ち上げる事ができなくなります。
検査と治療：膝のレントゲン写真から膝蓋骨の位置が通常より低い、または、反対側の膝と比べて低い位置にある事がわかります。損傷の度合いを完全に把握するためには磁気共鳴映像法（MRI）が必要になるかもしれません。大腿四頭筋腱断裂が懸念される場合は整形外科医に紹介してください。部分的に裂けた場合は保存療法で固定を使って治療しますが、完全に断裂した場合は一般的に手術で治療します。