ピル 経口避妊薬
エストロゲンとプロゲスチンが配合されたもので、現在の主流は、エストロゲンによる血栓症などの副作用を抑えるために、エストロゲン量を50μg以下(ほとんどが20-35μg)に抑えた低用量ピルとなっています。
日本では、低容量ピルは自費診療となっています。
飲み忘れを防ぐ意味で、休薬期間にプラセボの入った28錠型のものが望ましいと考えられます。
利点:使用中止後すぐに妊娠が可能。月経が軽くなる。にきびや多毛の改善。卵巣がんや子宮体癌のリスクを減らす。
欠点:血栓症のリスクを増やす。毎日内服する必要がある。
吐き気、頭痛、乳房痛、不正出血(内服後およそ3ヶ月以内に改善)
禁忌:血栓症や脳梗塞の既往
エストロゲン依存性腫瘍の既往
肝不全
妊娠中(ただし、妊娠初期に内服しているからといって先天異常のリスクが上昇することはない)
未精査の不正出血
脳血管疾患、冠動脈疾患、合併症のある心臓弁膜疾患
35歳以上の喫煙者
年間失敗率(妊娠率):一般的な使用8%、理想的な使用0.3%
注:各種避妊法使用開始1年間の失敗率(妊娠率)を年間失敗率として、それぞれの方法に記載してあります。一般的な使用とは、たまに飲み忘れてしまった場合なども含め一般的な状況で使用している場合をいいます。理想的な使用とは、飲み忘れなどのない、完璧な使用下での失敗率です。
○ミニピル エストロゲンが禁忌の方に、プロゲスチンのみの避妊薬が存在します。特徴は上記1のピルとほぼ同様ですが、毎日決まった時間(数時間の誤差も許されない)に飲まなければ、避妊効果が低下します。