自転車旅行8.24 ウィーン⇒クレムス(オーストリア)
ウィーンに長逗留しただけに久しぶりの走りである。出発前にタイヤを確かめるとエアーが不足している。
街かどの自転車ショップでいつものように気軽に空気を入れてもらおうとすると「1€」と言う。
有料?そう思うと、お婆さんの顔が強欲に見えてくるが、他を探すのも面倒だし、しかたなく支払ったが、後にも先にもここだけだった。
◆暑い時は水、水、水の準備
相変わらず朝から日差しは厳しく、どんどん暑くなりそうな予感がする。
暑い日には水を多めに持つことが必須である。
いつもは2本の500mlペットボトルを準備しているが、このように暑い日には荷台に1.5か2リットルの大型ペットボトルをくくって走る。
8月24日(晴れ)
◆空気入れが「えっ有料!」
暑い中を走るおば様方
ライン川沿いの日陰で一休み
飲む量が増えるだけでなく、水が思うように手に入らないことも想定しておかなければならないのである。案の定、ウィーンの街を抜けてドナウ川の右岸に渡ってから水を補給するようなところがまったくなくなった。
◆人が恋しいドナウ川走行
自転車がめっきり減り、一面の木立と草原の堤防がずーっと続く。
ひょっとして大きな中洲に入り込んで行き止まりになるのではと不安を覚えるほどである。
幸い道は間違っていなかったが、こんな時に水がなければいっそう不安な気持ちになってしまう。
だいぶ走ってから、やっとドイツ人サイクリストに出会って良かった、よかったと内心で拍手。
あまりの暑さに、若いカップルが橋の下で涼んでいる。120日間ヨーロッパを走りまわる計画だという。
二人はまずドナウ川沿いに下って東欧に行くという。後はと聞くと・・・?と明るく笑う。大半は野宿のつもりなので寝袋とマットも持っている。
「若いカップルが野宿?」つまり治安のことであまり心配することはなさそうだと推し量れ、宿がとれなくても心配ないのではと妙に感心できた。
◆ドイツ人に放っておかれ
クレムスでの宿探しは苦労した。川沿いにちょっと瀟洒なホテルが目に入ったので向かうと、先客にドイツ人夫婦のサイクリストが居合わせた。
空き部屋がないとのことで外に出ると「俺についてこい」と旦那が言う。
自分で探すよりも上手に探すだろうと、後に着いて二軒目、三軒目と行くが満室。
ところが、ドイツ人夫婦がちょっとした隙にいなくなり、放っておかれてしまった。ホテルはその後やっとのおもいで自力確保したが、彼らは何処へ?
クレムス・シュタイナー門
◆オランダの団体サイクリスト
ホテルにはいっぱいの団体客、年配のオランダ人達であふれており、言うなれば「ヴァッハウ渓谷を楽しむドナウ川サイクリングツアー」のようだ。
彼らはアムステルダムからここまでバスで来ており、自転車もバスに連結したカートに積んで来ている。
景色が良くて快適に走れるところだけ「わいわいがやがや」と走って楽しむスタイルのようだ。
バスのドライバーから「お前の自転車も積んでやろうと!」声がかかる。
オランダ・アムステルダムからのサイクリスト達のツアーバス
自転車を積み込み中のカート
◆ドイツ人との再会
レストランでばったり先刻のドイツ人夫婦に再会する。
あの後、彼らも宿探しに苦労したようでホテルはこの先3kmほどの丘の上で見つけたという。
どうもここからは遠そうなので、放っておかれて良かったのかもと思うが、お互いの旅の安全を祈って乾杯。
一人旅では誰かと食事できることがとてもありがたいものである。