From Bracieux to Blois
7月7日(晴れ)
◆夜明け前のシャンポール城
朝5時過ぎに目を覚ますと外は薄っすら明るくなってきているが、まだ鳥のさえずりもない。
きのう日中に行っているが、夜明け前のシャンポール城ってどんな風だろうかと思うと、居ても立ってもおられず即行くことに決めた。
朝食は7時45分からなので5時半に出れば片道30分で往復しても十分に時間はある。
まだ暗いのでバックライトを点滅させ夜明け前の道を走るが、風は冷たく手がかじかむ。
ロワール川とブロア城
ロアール川流域の田園風景
何はともかく無事にロワール川沿いまで下って来ると対岸にブロア旧市街が見える。橋の左手にブロワ城、右手に大聖堂の立派な建物がある。ブロワの橋は真ん中がかなり高くなり、特に旧市街に向かっては大きく下っている構造である。(走行距離 46km)
シュベニール城の子供部屋
◆時速制限110km
本日宿泊予定のブロアに向かってD765を走っていると途中から道路の雰囲気が変わってきた。片側一車線、80km制限の道が真新しい装いの二車線道路に変わり、赤い丸で自転車を囲った標識も出てきた。標識の自転車に斜線が引いてあれば通行禁止だろうと思いつつ、気にはなるが意味が理解できないまま進むと速度制限110kmの標識が現れる。
高速道路に乗り入れたような雰囲気であるが、 いまさら路肩を引き返すのも考えられず、思いっきりスピードを速め、走りに走りやっとの思いで通り抜けたが二度と走りたくないものである。
シュベニール城
夜明けのシャンポール城(3)
◆シュベルニー城
ブラシューから田舎道を20分も走るとシュベルニーの街に着く。街に入ると道の右側に鬱蒼とした木立と石塀のシュベニール城の敷地が続いている。
シャンポール城がいかにもシャトー!という印象に比べて、シュベルニーは広大な庭園と付属の建物を持っているが、大きな館というのが第一印象であった。
ここは個人所有の城だそうで実際に城の一部を自分の館として使っているというが、優雅なものである。
夜明けのシャンポール城(2)
帰路はゆっくり森の中の自転車道を走る。聞こえるのはただ鳥の囀りだけの贅沢な空間であったが珍しい客、二匹のイノシシが突然目の前に現れ道を横切ってやぶの中に消えてゆく。大きなイノシシの後にちょっと小ぶりなイノシシが行くのである。狩猟をしていた広大なシャンポールの森だけにふところの大きさを感じさせるものであった。
夜明けのシャンポール城(1)
夜明け前のブラーシュ教会
「シャー」という車輪の音以外は静まり返った森の一本道をひた走り、一台の車にも抜かれずにお城に着く。
誰もいない城の佇まいは荘厳に見え、見る角度によって表情が違う城の表情を誰にも邪魔されず贅沢にゆっくり見ることができ、朝日が上るのを確かめ戻ることにした。