自転車旅行 7.11 レーゲンスブルク⇒フォーブルク

7月11日(くもり)

from Regensburg to Vorburg

◆ダート道

快適なサイクリングができる道としては滑らかに舗装され、自転車専用で車を気にしなくても良く、適度な起伏かフラットで、美しい自然景観が眺められるなどの条件を備えていることが望ましいが、常に総てを備えた道ばかりではない。

レーゲンスブルクの街を抜けるとすぐにドナウ川堤防の上を走るダート道になる。このところの雨でぬかるんだ所もあり、ハネが上がったりスリップするのでスピードは出せないが広々と川や畑の見える景色は心地よい。この道が嫌になったら堤を下り舗装された道を走るのも良い。総て良い条件ばかりでなくても道を楽しむことはできる。

◆ケールハイムの解放記念堂

ケールハイムの街を走っていると山の上に黄色い円形のドームが見えて来る。十九世紀初めにナポレオンとの解放戦争の戦勝記念として建てられたケールハイム記念堂である。ヴァルハラ神殿と同様にこれも大学の聴講科目の欧州史で学び、この機会に行こうと決めていたものだった。記念堂が見えている間は見ながらその方向に進めば良いが、山際まで来ると姿も見えず方向も分からなくなる。地元の人に道を尋ねると、山への登り口を教えてくれたが自転車で行くのは到底無理だというので公園の柵に自転車をつなぎ歩いて上ることにしたが、記念堂まで勾配のキツイ道が延々と続いた。

記念堂に着くと眼下にケールハイムの街を流れるドナウ川とわずかではあるがマイン・ドナウ運河が見える。記念堂に入ると多くの純白の天使が立ち並び、その間に顕彰される人物のネームプレートが立てられているが、ざっとと一周り見て回って再び眼下の景色を楽しんだ。

ケールハイム記念堂の外観

記念堂からの景観、中央を流れるドナウ川とケールハイムの街を通って流れ込むマイン・ドナウ運河が望める

◆ケールハイムからのドナウ渓谷船旅

ケールハイムからヴェルテンブルクへは距離は短いが30分ほどかけて船で行く。

ここドナウ渓谷はドナウの川幅が最も狭いところで両岸から屏風のように立ち上がった岩壁が迫り、川の流れも速くなる渓谷として知られている。

ケールハイムを出た船はゆっくりと進み、両岸の開けた景色が段々と岩肌がむき出しになった景色に変わり、川幅も狭くなってくる。また、後ろを振り返ると山の上の記念堂が見える。

川の両岸の眺めをしばし楽しみながら進むと船は世界最古のビール醸造の修道院があるヴェルテンブルクに到着した。世界最古の修道院醸造所のビールと聞いてちょっと飲んでみたい誘惑に駆られたが我慢しつつ修道院を後にした。

両岸に岩壁が迫るドナウ渓谷の景観

ヴェルテンブルク修道院

◆EU規格の自転車道ユーロヴェロ

ヨーロッパには全土を網羅する「ユーロヴェロ」と呼ばれる高規格の自転車道がある。道路規格として舗装比率、最大傾斜、道幅や一定距離毎に休憩、宿泊施設の設置や公共交通へのアクセスが条件として設定されたものである。

ルーマニアのコンスタンツからフランスのナントに近い大西洋岸まではユーロヴェロ6号線が走っており、今回の旅で走っているメルクからドナウエッシンゲンまではその一部であり、ルートの全長4400キロの一部分なのである。

2011年ブダペストからウィーンまでのドナウ川沿いの道や2013年オルレアンから走ったロワール川沿いの道は主にこの6号線だったのである。

他の旅でも色々なところで走って経験からするとユーロヴェロは言わば主要幹線自転車で行き交うサイクリストも多くお奨めの自転車道だと言える。

(走行距離 78km)

右端がEU規格ユーロヴェロ6号表示

自転車旅行 7.12 フォーブルク⇒ドナウヴェルト