自転車旅行5.29 サーモス⇒アルツア

5月29日(晴れ)

from Samos to Arzua

◆訳あってのタクシー移動

この日も獲得高度が1000mを超える道のりを覚悟していたが、三人は途中のパラス・デ・レイまでタクシーで移動するが一緒に行くかと尋ねられる。タクシー移動の理由はデットの兄夫婦とアルツアのホテルで落ち合うためだという。実はデット、フランツは13人兄弟で、今回の旅にはもう一人の兄アンドレとその妻が三人組と同じ日に同じフランスのバイヨンヌから一緒にスタートしサンチアゴ・デ・コンポステーラを目指しているのだと言う。しかし、アンドレ夫妻は脚力が弱いので同じペースで走るには無理があるので、全コースを走り通すのではなく電車などの交通機関を上手く使って旅をし、最後は全員一緒にゴールする約束で別行動しているのだと言う。問いかけに、タクシーに乗らずに一人で走ることも考えたが、ここ一週間様々助けてもらいながら一緒に走ってきたことと明日にはサンチアゴに到着することを考え合わせ、そのまま一緒に行動することにした。一台のタクシーに四人は乗れるが、自転車をどうやって運ぶのか見当がつかなかったが、9時に後ろにキャリアーを付けたシトロエンのライトバンタクシーが来て、四台の自転車を手際よくキャリアーに載せ固定して行く。作業を見ながらエイヴァルトがこのキャリアーはオランダ人の発明なのだと自慢げに笑う。

タクシーの後ろには4台の自転車を固定するキャリアーがあり手際よく積み込んでいく。

車は走り出すと暫く曲がりくねった山道をかなりのスピードで走り、その後ノロエステ高速道路に入ると一段とスピードを上げ快調に走る。そしてルーゴで別の高速道路に入りパラス・デ・レイに向かい、自転車で行けば900m以上を上り下りして65kmほど走り恐らく5時間程度はかかる行程を一時間ほどで到着してしまう。歩いて聖地を目指す巡礼者が山道でルートを端折る気持ちが良く分かった。

パラス・デ・レイからアルツアに向けての坂道を上るエイバルト夫妻。

アルツアの街を歩く巡礼者は最難関の峠越えを終えてみんな一様に明るい。

◆アンドレ夫妻との合流

パラス・デ・レイからアルツアに向けては再び走り出す。この日も平坦な道は少なく上がったり下ったりを繰り返し進む。また天気も相変わらず悪く時折激しく雨が降り出す。降り出すと雨をしのぐ場所を探し、雨宿りがてらエネルギー補給して暫し休憩をとる。

アルツアの街外れにあるこの日のホテルに着くと小柄であるがにこやかなアンドレ夫妻が待っていた。アンドレは大小のアルファベットで自転車をデザインブルーのTシャツしたそしてアンドレは既にメールで一緒に走っていることを知っており親しげに話しかけてくる。話す気の彼は巡礼道の旅話だけでなく速射砲のごとく次から次へと話題を出してくる。中でも国際情勢に関しての話がお好きで日本を取り囲む不穏な状況を憂慮していた。(走行距離 31km)

ホテルで合流したアンデレ夫妻と一緒に記念写真。アンドレご自慢のTシャツには大小様々のアルファベットで自転車が描かれていた。

自転車旅行5.30 アルツア⇒サンチアゴ・デ・コンポステーラ