自転車旅行 7.12 フォーブルク⇒ドナウヴェルト

7月12日

from Vorburg to Donauworth

◆サイクリング中に親とはぐれた子

インゴルシュタットを過ぎて田舎道を走っていると13~4歳の男の子が手信号で私を停め、泣きそうな顔をして早口のドイツ語で必死に話しかけてくる。必死さは伝わってくるが意味が全く分からないので、身振り手振りを交えて英語で話せないかというとやっと落ち着いてくる。そして、黒いヘルメットに青いサイクルジャージの男とすれ違わなかったかと言う。そんな人には出会わなかったと答えると落胆の表情。探しているのは彼の父親で走っているうちにはぐれてしまったようだ。近くの街のインフォメーションに連れて行こうかと問いかけると気丈に自分で行くからと走って行ったが、うまく折り合えたか心配であった。

森の中を走るサイクリング道

静かなたたずまいの集落の水の流れは澄んでいた

◆絵になるノイブルクの城と街

ノイブルク アン・デア ドナウの街が見渡せるところまで来るとドナウ川の岸に赤い屋根に白い壁の優雅なノイブルク城が見えて来る。ノイブルクとは「新しい砦」という意味で、実際にノイブルク城自体が街を囲む城塞の一部になっており、街に入るには坂道を上って城塞に開けられたトンネルを潜ってカールス広場に出るのであるが、そこは中世に歴史を感じさせる建物が立っている。

城内に入った途端に雨が降り出してきたので広場に面したレストランで休憩を兼ねてちょっと早いが昼食にする。すると同じようにわざわざ雨の中を走りたくないのだろうか雨宿りを兼ねて昼食をするサイクリスト達が集まってくる。

この日はこれだけでなく何度も雨宿りをせざるを得ない一日で、中でも最悪だったのはドナウヴェルトの直前での突然の雷雨で思わず身をすくめ建物の陰にほうほうの体で逃げ込むしかなかった。

ドナウ川に面したノイブルク城

雨宿りのレストランで隣り合わせた三人連れのサイクリスト

◆二度目のドナウヴェルト

5年前に初めての欧州サイクリングではロマンチック街道をフュッセンからビュルツブルクまで走り、その旅の途中でドナウヴェルトに泊まった経験があったので、できることなら同じ宿に泊まるつもりで街に向かった。前回は南から北に向かって走って来たが今回は東から西へと走り、ドナウヴェルトで直交することとなった。

ドナウヴェルトは小さな街なので難なく宿に着きチェックインの前に駐輪場所を尋ねると、離れたところにある倉庫に入れろと言われ、ふと「ここの自転車用の倉庫のカギはなかなか開け難く苦労した」ことを思い出した。5年経っても鍵は健在で相変わらず開けるにも閉めるにも相変わらず苦労させるものだった。

雨上がりのドナウヴェルトの街歩きは5年の年月の経過を感じさせないほど私の記憶を蘇らせてくれた。

(走行距離 84km)

ドナウヴェルトのガストホフの看板

自転車旅行 7.13 ドナウヴェルト⇒ディリンゲン