自転車旅行9.05 ザンクト・ガレン⇒ライヒェナウ

9月5日(雨のち曇り)

From St. Gallen to Reichenau

◆電車でコンスタンツ

チューリッヒを出発してから初めて雨模様になった。夜通し雨音が聞こえる程の雨だったが、昼前には雨も上がるという予報なので取り敢えずコンスタンツまでは電車で行くことにする。電車は昨日来たロールシャッハを経由して湖岸沿いにコンスタンツに向かうものと思っていたが、案に相違して湖と並行して丘の上を進む。雨が上がりかかった視界の向こうにはボーデン湖越しにドイツ側の山並みと街が望める。ドイツ側を走った6年前の旅をあれやこれや思い出しながら、しばし車窓の風景を楽しみスイスの街クロイツリンゲンで乗り換え一駅でコンスタンツ到着となった。

コンスタンツ駅を出るとまだ路面は濡れているが雨は上がっていた。ライヒェナウ島に行く前に、駅に隣接するコンスタンツ公会議が開かれた和議の館、港の突堤の先にあるインペリア像、コンスタンツ大聖堂を訪れ街の雰囲気を味わった。ライヒェナウ島にはボーデン湖からウンター湖に流れ込むライン川にかかる橋を渡り、すぐに左折すれば向かえるが、その道は車の往来が多い産業道路で楽しくもない。そこで幹線道を外し路面電車の線路沿いに進むことにした。産業道路の喧騒とは打って変わって静かで街の生活感も感じられる道で島の入口に向かう。

雨天だったのでザンクト・ガレンからコンスタンツまでは電車で移動した。雨が上がると車窓からボーデン湖と対岸ドイツの山並みが見えた。

コンスタンツのボ田湖畔には15世紀初頭にコンスタンツ公会議が行われた和議の館とその先に名物のインペリア像がある。

◆僧院の島“ライヒェナウ”へ

ライヒェナウ島はコンスタンツの西にあるウンター湖にある島で、6年前にライン川を走った時にはスル―してしまったけれど、一度は訪れてみたいと思っていた場所だった。この島の歴史は古く既に8世紀ムーア人の侵攻でスペインを追われた聖ピルミニウスによって修道院が造られ、そのために”僧院の島”と呼ばれている。また、島へは真っすぐに伸びるポプラ並木の道で行く。道の両側に広がるウンター湖岸には葦が生い茂った浅瀬が続き、しきりと野鳥の鳴き声がする。自然の豊かさが実感できる。

ライヒェナウ島へは人工的に作られた路に併設されたポプラ並木の自転車道で渡る。その途中、聖ピルミニウス像がある。

島に入るとなだらかに上り下りする尾根伝いの道が続き、野菜や葡萄が植えられた畑がうねうねと広がっている。車を気にすることもなくノンビリと走ると右手のひまわり畑の中に茶色の屋根と黄壁の聖ゲオルク教会が見えてくる。教会を通り過ぎそのまま直進して島のツーリスト・インフォメーションで宿探しをする。幾つもある候補の中から一軒のペンションを紹介してくれたので早速向かう。一般の家庭のように見えるペンションはリーズナブルな値段の割にはロケーションも部屋の作りもオーナーのもてなしも悪くない。荷物を部屋に置いて空身になり早速“僧院の島”巡りポタリングに出かける。一部が9世紀に建てられた島内で最も歴史のある聖マリア・マルクス教会、真っ白な天井に描かれたフレスコ画が印象的な聖ペーター・パウル教会を見物し、ゆっくりと畑の中をポタリングして巡る。

ペンションに戻ると曇っていた空も眩しいほどに晴れ上がり、空気も暖かくなってきた。そんな陽だまりの中、島の景色を眺めながらベランダで冷えたビールを呑むひと時を過ごす。時間に束縛されずにゆったりと過ごせるライヒェナウがすっかり気に入り、急遽もう一泊することにした。(走行距離 24km)

僧院の島らしくライヒェナウには聖ゲオルグ教会、聖ペーター・パウル教会など様々な見所がある。

この日走ったのはコンスタンツからライヒェナウ島までの短い距離と、ライヒェナウ島内のポタリングだけだった。

自転車旅行9.06 ライヒェナウ