自転車旅行6.02 リド

6月2日(快晴)

In Lido

Yajiさんの凄い応急修理

朝食前にYajiさんが「空気入れを直してあげよう」と言う。手にはピンクのミネラルウオーターのキャップ、軟銅線と工具を持っており、空気入れの口部の形やタイヤバルブを見ながら器用に作業を始める。

キャップの中央にバルブが通る大きさの穴と四方に軟銅線を通すための穴をナイフを使って開け、そして穴の開いたキャップを空気入れの先に軟銅線でぐるぐると巻いて固定する。作業を見ていて内心「これで本当に使える?」と思いつつ見守る。

応急的に修理された空気入れはノズル部分を片手でバルブに押し付けながら使わなければならないのに、新しく買った物よりはるかに使い易く4~5気圧位は入る。これ位入ればゆっくりゆっくり走れば進めるので応急処置には十分である。

明後日から独り旅になるので空気入れのことは心配していたが目途がついたし、Yajiさんには頭が下がる思いだった。

それ以降、空気を入れる時には誰かに手助けしてもらって、楽に規定の7.5気圧を入れることが出来全くと言って良いほど問題ではなくなった。

さすがYajiさん、ボトルキャップと柔銅線だけで修理完了

フェリーで行くヴェネチア

ヴェネチアは自動車だけでなく自転車も通行出来ないので対岸のリドを拠点にして、フェリーでヴェネチア観光に行くことにしていた。リドからヴェネチアに向かうフェリーからの眺めは陸上での眺めよりも数段素晴らしいもので、ヴェネチアが刻々と表情を変えながら近づいてくる。

多くの船が行き交うアドリア海に浮かぶヴェネチアの街並みの中にサン・マルコ広場の鐘楼、ドゥカーレ宮殿や対岸のサン・ジョルジョ・マッジョーレ教会が超広角のレンズ越しに眺めるように見え、少し遅れてサンタ・マリア・デッラサルーテ聖堂が見えて来る。

何とも贅沢な眺めで、フェリー船上で出会ったリドの住人は「フェリーからのヴェネチアの眺めが最高なんだ」と自慢の一言があり、正に同感であった。

リド島からのフェリー船上からのヴェネチア

ヴェネチア散策

6月初旬にもかかわらず真夏を思わせる暑さの中のヴェネチア散策はちょっと厳しいものだったが、フェリーを降りたサンタ・ルチア駅からグランド・カナル沿いにゴンドラが行き交う運河や建物をモチーフに写真を撮りながらリアルト橋、サン・マルコ寺院と鐘楼のある広場、ドゥカーレ宮殿、嘆きの橋など主なる観光ポイントを見て回る。

フェリーからの眺めも良かったが、散策して回ったヴェネチアも絶好の撮影ポイントだらけで良い街だった。

ヴェネチア散策で見た街景観

十二分に堪能したヴェネチアの次の観光は水上バスで行くムラーノ島だった。

ヴェネチアングラスの島だけに桟橋を降りると運河沿いの道はムラーノグラスの店がずっと続いている。各々の店が展示しているガラス製品はそれぞれ自前の特徴を持ったオリジナル製品なので幾ら店があっても見飽きることはなかった。

到底手が届かないような高額なものから比較的安価な小物までバラエティ豊かな品々を見ていると何か一品を土産として買いたかったが自転車旅では難しいと諦めた。(走行距離 14km)

ムラーノ島の運河通りとレストランにて

自転車旅行6.3 リド⇒フィレンツェ