自転車旅行5.14 アルコセブレ⇒モンツィア・マル

5月14日(晴れ)

from Alcossebre to Montsia Mar

◆シエラ・デ・イルタ国立公園のダート道

バレンシアを出発して以来、何か所かのツーリストインフォメーションでの情報では、この先を自転車で行く相応しい道はないと言われていたので前日フロントで国立公園内の道路状況を確認したが、やはりお薦めできるような道ではないとのことであった。薦められない理由は酷い砂利道であるとのことであったが、車が通れる位の道幅はあるという。

大きな石がごろごろ転がり、深くえぐれた溝もある酷いダート道。走って通れただけラッキーだった。

出した結論は国立公園の道。駄目なら途中でギブアップして道を戻り、鉄道移動にしようと考え出発した。ホテルを出るとすぐにダート道、それも大きな石がごろごろ転がったり、露出した大きな岩盤や深い窪みがあったりと確かに酷い悪路であったが、充分な道幅なので、より良い所を探しながら、ゆっくりゆっくり上れば行けるものであった。タイヤ幅23㎜のスリックタイヤには決して優しい道ではないが、マウンテンバイクには絶好の道のようで多くの若者が猛烈なスピードで急坂を駆け下りて来る。

急坂を猛スピードで下ってきたMTBの連中。私が乗る細輪のクロスバイクを見てびっくり!

国立公園の中は道は悪いが景観は良い。山を暫く上って行くと右側に紺碧の地中海が見えるようになり、山を下ると磯の香りがする海岸に出て再び山を上り急坂を上る。上り切ると昨日見たトーレコロメラと同じものが聳えている。そして行く手の方向には半島に突き出した島のようにカスティーリョ・デ・ペニスコラの街が見通せる。高い所からの眺めは美しい景色であったし、普段お目にかかれないような悪路も走ってみれば面白い道だった。

ダート道を走り峠まで来ると行く手には海に浮かぶペニスコラ城がみえてきた。

◆自動車道N-340を走る

ヴィナロスのツーリストインフォメーションでタラゴーナ方面の道を聞きに行くと二人のおばさんスタッフが親切に対応してくれる。が、残念なことにバレンシア州境の街なのでカタルーニャ州の詳しい地図などはないと言う。情報を得られず外に出ようとすると国籍を尋ねてきて、日本人だと分かると是非とも自分達の名前を日本語で書いてくれと紙とサインペンを差し出し陽気に言う。さっそく即席の日本語講座を開き、日本語には漢字だけでなくひらがな、カタカナもあることを説明し、カタカナで二人の名前を書いてあげると大喜び、楽しい日本語講座のひと時であった。

ヴィナロスの観光案内所の陽気なスタッフさん。

再び走り始め、手持ちの地図で道を確認するが州境にある川のところで一般道が途切れ、良い一般道道が見つからず自動車道N-340しか見つからない。N-340のインターチェンジを前に躊躇していると、N-340から出てきた一台のロードレーサーをつかまえて、サント カルレス方面の行き先を訪ねると迷うことなくN-340自動車道を行けと言う。気乗りはしないが他に道もなく覚悟を決めて走る。中央分離帯のない片道一車線の道で舗装もしっかりしており自転車を走らせる路肩もまずまず広い。速度制限は80kmか100kmだが追い抜いて行く車の騒音はそれ以上のスピードで走っているように感じられるし大型車も多く、少しでも早く抜けようと走るが上り坂もあり自転車は辛すぎる。

大型車が抜いて行く時の音は凄まじく心臓に響き暑い汗と冷や汗をかきながら急いで走る。

8kmばかり走るとサント カルレスの標識が目に入ったので即座に一般道に降りる。するとすぐにリゾートホテルが見えて来る。昨日の“ホテルが見つからない!”恐怖体験が襲い掛かったので、ちょっと高そうに見えるが、空き部屋と費用を確認する。部屋もあり、宿泊費も昨日の三分の一程度と願ったり叶ったりの条件、それも目の前一杯に地中海が広がるオーシャンビューの部屋なので即今夜の宿にした。(走行距離 54km)

夕暮れのホテルからの眺め:地中海に陽が沈むオーシャンビューは最高だった。

自転車旅行5.15 モントシア・マル⇒ラメトラ・デ・マル