自転車旅行6.03 リド⇒フィレンツェ
往々にして満杯の荷物室
◆ポタリングで巡るフィレンツェ観光
到着してすぐにフィレンツェの駅構内の隅で自転車を組み立てる。フィレンツェでのホテル探しのポイント駅に近いことがポイントだった。二日目に鉄道かバスでシエナ、サンジミニャーノ観光を予定しているだけに駅周辺が何かと便利なので、駅の周りを走りながらホテルを探した。幸い駅周辺には何軒ものホテルがあるので、ゆっくり3軒ほど見て回ってから決めたが、その理由はちょっと変わっていた。
その小さなホテルは大きな扉の共同住宅の二階にフロントと小さなロビーを構え、そのロビーに年老いた両親がテレビを見ている。親の面倒を見ながらフロントに立つ若い息子のひたむきな姿を見ていると何故かフィレンツェの宿泊はここだと即決していた。
ヴェネチア・サンタルチア駅から高速列車で約二時間の旅
◆ピサかシエナか?
運が良いことにヴェネチアからの列車で若いイタリア人女性と隣り合わせた。彼女はフィレンツェで生まれ育ちカナダで働いているが、ちょうど休暇で里帰りに戻るところだという。
私はフィレンツェには二泊し、一日は市内観光をする予定は立てていたが、もう一日は斜塔で有名な街ピサに行くか、それともトスカーナの古都シエナに行くか決めかねていたので、会話の合間にピサとシエナのどちらがお奨めか聞いてみると明快に答えが返ってきた。
「絶対シエナに行くべきよ!」と。ピサは斜塔で有名だが他に見るものが少ないのに比べて、シエナの中世の街並みは見どころが一杯の上、塔が林立する街サンジミニャーノにも立ち寄れるので断然シエナがお奨めだと言う。その一言で日程は決まった。
6月3日(快晴)
from Lido to Firenze
◆Yajiさんと別れての一人旅に
二週間かけてミラノからヴェネチアまで800km余りを一緒に走ったYajiさんとは今日から別行動になる。これからYajiさんはヴェネチアからミュンヘンに列車移動し、前々から走ってみたかったと言うロマンチック街道とベルリンからプラハへのエルベ川サイクリングに向かう計画であった。
ミラノを発ってからのことを顧みると初めての海外サイクリングに挑むYajiさんにとっては“どうやって海外で走ったら良いのか?“という意味では私と同行することが多少は役立てて頂けただろうし、Yajiさんから常々自転車に関するメカニックなことを教えてもらっていた私はこの2週間余りで自分の未熟を改めて認識させられ、何より空気入れの応急修理からYajiさんの知恵の深さを垣間見た思いがして、二週間でお互いに良い経験が積めたと確信した旅だった。
見どころ満載のフィレンツエの旧市街
サイドバッグを置いて早速街の散策に出る。先ずは街のシンボルである赤茶色のクーポラが目印のフィレンツェ大聖堂を目指すが、たもとまで来ると大聖堂が近すぎて写真でお馴染みの絶景とはまるで違いがっかり。
地図を見直し、アルノ川対岸の丘を上ったミケランジェロ広場を目指して走り出す。ヴェッキオ橋を渡り石畳の道を川沿いに行き、つづら折りの坂を上ると見たかった絶景に出会えた。ミケランジェロ広場からのフィレンツェはぜひ見ることをお奨めしたい景観であった。
しばし見惚れてから再び街に戻り、街観光するが世界遺産の街だけに見所は多い。
(走行距離 21km)
ミケランジェロ広場からのフィレンツェ遠望