自転車旅行5.22 ログローニョ⇒ベロルダ

5月22日(晴れ)

from Logrono to Beloruda

◆巡礼道で初めての日本人

走り出す前にログローニョのシンボル、サンタマリア・デ・ラ・レドンダ大聖堂の真ん前のカフェベーカリーで朝食を摂る。昨日、この大聖堂前広場では子供たちがサッカーに興じていた。サッカーが盛んな国だけに小さな子供たちでも持っているテクニックは巧みでコーヒーを飲みながら見とれていた。そんなことを想い出しながら甘いパンを食べて腹ごしらえを済ませる。そしてそのままポルタレス通りをラウンドアバウトの交差点まで進み旧市街を後にする。街を出てからはgoogle mapのルートに従って進むが、途中からダートそれも赤土のえぐれて荒れた道に出る。間違いではと思い農作業中のおじさんに聞くと、構わずこのまま行けと手で指示してくれる。相変わらずの悪い道を進むと前方にやっと巡礼者の姿が見え一安心。そして巡礼者が歩く道に出て、そのまま暫くダート道を進み、やっときちっと舗装されたN120に出る。上り坂が続く道には幸い車も少なくそのまま順調にN120を進む。

サンタ・マリア・デ・ラ・レドンダ教会の横を通る道は巡礼のみちであった。

N120を進みナヘラの街に入ろうとすると自転車での巡礼旅をしている日本人に出会う。驚くほど多くの荷物を積んだ自転車で走っている。巡礼道での初めて日本人なので一緒にカフェで一休みする。巡礼道は通算5回目だという元東京都庁勤めのSさんは途中から腰の調子が悪くなったので途中で自転車を買い、旅を続けるのだと言う。さすが5回目と言うだけに巡礼道については詳しく、この日のナヘラのアルベルゲも前々から泊まってみたいと考えていたところらしい。5回目のベテランが言うには聖地サンチアゴコンポステーラを目指す巡礼は厳しい経験である反面、同じ目的で歩くだけに友情を育む機会でもあるので国を問わず数多くの友人もでき、それが旅の楽しみであり財産だと言う。話しを聞く間に5回も歩く理由が多少は理解できたような気がした。

5度目の巡礼旅の強者だけにSさんは多くの経験をお持ちだった。ナヘラの宿も仲間内での評判の良いアルベルゲで一度泊まってみたかったようだ。

◆豹変した自動車道N120

ナヘラを出て、その後もN120、ログローニョ自動車道は車の通行も少なく路面状態も良いので快適そのもので順調にあった。しかし、サントドミンゴ・デラ・カルサダを過ぎると道の様相は一変した。立体交差した道が合流すると大型トラックやトレーラーがバンバン走る道に一気に変わる。次々と時速100kmを超える大型車が横を通り抜けて行く。そんな片側一車線には路肩もなく走っていても恐ろしくって仕方がない。楽しくもなくなったN120を走るより、もっとのんびり走れる道に戻りたいと一般道につながる道に入り、地図で確認をするが適当な道が全く見つからない。するとN120をロードレーサーが走って行くので、代りになる道もないので覚悟を決めて後を必死に追って走る。ロードレーサーがドライブインに入ったので続く。軽装なのでてっきり地元ライダーと思っていたが、ドイツのコブレンツから来た巡礼者で、荷物は総て伴走車の奥さんが運び、本人は空身で自転車巡礼をするのだと言う。巡礼の仕方は色々あるものだ。

良き伴侶は伴走車でご主人を追いかけている。羨ましい旅の仕方だ。

◆ベロラドで道探し

やっとの思いでベロラドの街に入ると、すぐに外壁にでかでかとホテル表示のある建物が見える。ホタテ貝の巡礼マークのあるリーズナブルな二つ星ホテルなのですぐにチェックインする。そして真っ先にホテルのおやじさんにブルゴス方面に自転車が快適に走れる道はないかと聞くが“俺はいつもN120を走る!”としか言わない。幾らホテルのおやじと話しても埒が明かないので街のツーリストインフォメーションに行き聞くと、地元の地図を指さしながらN120以外にも北回りと南回りのルートがあるという。どちらも一長一短あり、北回りは比較的上る山の標高は低いがブルゴスの手前からN120よりも更に交通量が多い自動車道を走らなければならないという。そして南回りは景色は良いがちょっと高い山を越えなければならないが比較すればそちらが良いと勧めてくれる。が、最後に”だけど私だったらN120を行くわ”と。交通量の多いN120はゴメンなので、ちょっとしんどいかもしれないが南ルートを走ろうと決める。道の確認を終えて外に出ると午後4時過ぎだというのに暑い。ゆうに30℃は超えていそうだ。(走行距離 73km)

ベロダトで泊ったホテルと真ん丸にデザインされた広場の前にある市庁舎

自転車旅行5.23 ベロルダ⇒ブルゴス