自転車旅行6.06 ブリーク⇒シエル

6月6日(晴れ)

from Brig to Sierre

ツェルマット観光

ブリークから標高4810mのモンブラン観光の拠点ツェルマットに向けて乗った電車は8:27発と早かったのに加えて、まだオフシーズンだったのではガラガラ。乗り込もうとしたドアには自転車積み込み禁止マークがあるので一瞬足を止めると、車掌が「乗れ!」と手招きしてくれる。本当は連結されている荷物車両に自転車を載せるのだが随分物分りの良い車掌が気を利かせてくれたのであった。

8時27分発ツェルマット行き電車

出発した電車はローヌ川沿いに走り出し、隣街のフィブスから山に向けて登り始めた。進むとともに木々の緑で覆われた山々は徐々に切り立った岩肌を見せ始め、急峻な川の流れが現れてきた。進行方向には如何にも“アルプスの山だ!”と言わんばかりに頂が雪で覆われた山々が見えてくる。ツェルマットでこんなアルプスの絶景が望めると心が躍り、もう一つの目的も楽しいものになりと想像させてくれた。

もう一つの目的は自転車でのダウンヒルで出来ることならツェルマットから更に標高の高いところに行き、マッターホルンを眺めるだけでなく、自転車でダウンヒルを楽しめるところがないか車掌に聞くと、ツェルマットから先の道にはまだ多くの雪が残っていて無理だと言うのでスタートはツェルマットからと決まった。

標高1600mにあるツェルマット駅を降りてマッターホルンが見通せる場所を探して歩き回る。目抜き通りを抜け、橋を渡り川に沿ってどんどん上流方向に向かいリフト乗り場を過ぎると谷越しに山裾を含めてマッターホルン全体が見えるポイントが現れてくる。ちょっと残念なのは山にかかる雲で消えそうになっては次から次へと湧き出すことだった。結局、シャッターは頂に雲の少ないタイミングを見計らって押すしかなかった。

モンブランとツェルマットの街

ツェルマットからのダウンヒル

インフォメーションセンターで下界までの自転車道について確認すると、暫くは自転車道があるけれど途中にあるランダの街を過ぎてからは自転車専用道が整備されておらず少々危険なのでお奨めできないと言う。

折角ダウンヒルを楽しみにここまで来たので、もし危険なようであれば途中で止め電車に乗って戻るつもりでスタートする。アルプスの山を望み、樹間を流れる渓谷に沿って下って行くと、登って来る時には見えなかったアルプスの山と渓流が織り成す情景が次から次へと現れ、標高が下がって行くに連れて、幾つもの街や村を通り過ぎたがスイスらしい雰囲気を大いに楽しめた。

自転車専用路がなくてお奨めできないと言われた道は車線幅は広いし車も少ないので、イタリアの道に比べたら遥かに安全かつ快適だった。

ツェルマットからダウンヒルは絶景の連続

下界は真夏

標高差1000m、距離30kmのダウンヒルの終点フィスプはこれがスイスかと思うほど暑く、道路脇の気温表示を見ると35度を示している。

猛暑の炎天下でペダルを漕ぐ足も重い上に、自転車道も見失ってしまい幹線道路E62を暫く走る羽目になってしまった。

悪いことは重なるもので予想以上の暑さのせいで手持ちの水を飲み干してしまい喉が乾いてしまうが中々店が見つからない。いっそのこと列車で移動と考え駅まで行くと珍しく自販機があり、やっと一息入れ小休止。

気持ち良く走るにはいろいろな条件があり気温の高さも要因の一つで、適温は25度位で35度などといった厳しい高温の中は走りたくはなかった。

気候温暖化のことを考えて例年より一カ月程度前倒しでスケジュールを組んだが全く当て外れだった。

(走行距離 64km)

山を下ると暑~い暑~い

自転車旅行6.7 シエル⇒ル・ブヴレ