自転車旅行5.21 エステーリャ⇒ログローニョ

5月21日(晴れ)

from Estella to Logrono

◆ワインを振舞うイラーチェ修道院

エステーリャからNA1110をほんの2kmほど走り、巡礼道を斜め左に入って行くとイラーチェ修道院が現れる。この修道院はナバラ州で最も古いものであるが、巡礼者にとっては「ワインの泉」としてよく知られている。ここにある醸造所が巡礼者に無料でワインを振舞うもので、まるで四国お遍路のお接待のようである。

早朝なのに既に多くの巡礼者が「ワインの泉」に集まり、思い思いに持参の容器に蛇口から出る赤ワインや水を注いで行く。左の蛇口からは赤ワインが、右の蛇口からは水が出るのであるが、中には1.5ℓボトルに満々と赤ワイン入れて行く猛者もいる。下戸に私にはワインは不要で右の蛇口から水を頂くだけで充分だった。

お酒好きにはたまらない場所のようで誰もが笑顔になり、”只より安い物はない!”とばかりに詰めて行く。

◆歩いて巡礼、走って巡礼

ゆるゆると坂を上ったところにある街Azquetaの入口に差しかかると遥か先に見える山々と葡萄畑の緑の谷間からリュックを背負った何人もの巡礼者が上がってくる。そして街のバルで休みを取る。

登って来る巡礼者たちと一緒になったバルのスペイン風オムレツには無造作にフォークが突き刺してあった。

山々の眺めが美しい巡礼道の景色。

バナナを一本食べただけで出てきたので歩き巡礼者の中に入って軽食を摂ることにした。周りの席の巡礼者達は笑顔でおしゃべりに興ずる者も多いが、中には靴を脱ぎ、真っ赤になって痛々しい足のマメを手当てしている者もいる。長い行程は始まったばかりで、どうやってサンチアゴ・デ・コンポステーラまでたどり着くのか他人事ながら心配になる。

赤い二つのサイドバックを装備したバイクが前に見えてくる。追い付いて横に出ると昨日エステーリャの橋の上で出会った女性だった。並走しながら話をすると、ブラジルで住宅デザインをするシングルマザーで休暇を取って巡礼を楽しむのだと言う。ペースが違い過ぎるので、「いい巡礼旅を」を意味する言葉“ブエン カミーノ”をかけて先行する。 (走行距離 52km)

上がり下がりして進む道の先には教会を中心に街が広がっている。道端にはホタテ貝の巡礼道の標がある。

自転車旅行5.22 ログローニョ⇒ベロルダ