自転車旅行5.21 ミラノ空港⇒ミラノ

出発を見送ってくれたオーナー夫妻

◆走りの初日から雨

ミラノまで15kmほどのところに来ると、分厚い雲で覆われ暗くなった空からポツポツと雨粒が落ち始め、あっという間に激しい雨になった。

しまったと思ったが後の祭りで、雨宿りするため行く手にある建物を目指して全速力で走ると、運よくレストランがあったので雨宿りがてらお昼を食べることにした。

よく経験した通り雨とは違って、昼食が終わっても一向に雨足が弱まらず、さらに雷鳴も聞こえて来る。雨が止まず、これ以上進めない事態に備えて最寄りのホテル情報を聞こうと店のスタッフに聞くが英語が通じない。コミュニケーションに手こずっていると、英語が話せる隣席のご夫婦が一緒になってホテル探しに加わり、「あそこだ、ここだ」と何時の間にやら大いに盛り上がって調べてくれる。

ホテルの場所も判り、外に出るとさっきまでの雨が嘘のように晴れ上がってしまったので、結局予定通りミラノに向かうことにした。

5月21日(曇り一時雨後晴れ)

from Milano airport to Milano

自転車に厳しいイタリアの道

イタリアの道路事情は出発前に度々Google street viewで眺め、自転車道が少ないことや自動車の往来が多いこともある程度予測していたがホテルを発ってすぐに厳しさを思い知らされた。

SP341からSP34を走ってミラノを目指すが、片道一車線のこれらの道にはほとんど路側帯がなく、それどころか路肩も狭い。そして交通量が多いだけでなく、「そんなに急ぐな!」と言いたい位のスピード走り抜けて行く上に、大型車両の通行も多く、常に後方からの車に気を遣わなくてはならないのでサイクリストには決して楽しく走れない。

また、運転テクニックに自信があるのか運転マナーが悪いのか知らないが、道路中央に膨らまず直線的に間近を通り抜けて行く車も多くたまったものではない。

当然そんな状況を避けるためには地図を見ながら裏道に行くのだがその多くは袋小路になっているのでひとつの街から隣街へ裏道を走ることも出来ず、再び往来の激しい道に戻らざるを得なかった。

雨宿りのレストランでのランチコース

◆ミラノ散策

万博期間中のミラノには多くの観光客が押し寄せているようだ。幾つかホテルを確認すると満室かべらぼうに高い値段を言ってくる。今までの経験でも取れるはずのホテルが取れないのは往々にして何かイベントが絡んでおり、長距離サイクリストにとってイベント開催は迷惑でしかない。

ホテルを探しながらミラノ記念墓地辺りまで来て値引き交渉をした末の確保だったが、二つ星ホテルとしてはそれでもなお高いものだった。

すっかり晴れ上がっていたミラノ大聖堂

帰りはガレリアを通り抜けてスフォルツェスコ城、センピオーネ公園、ガルバリディ門をポタリながらミラノ記念墓地沿いのルイージ・ノーノ通りに出ると、昼間降った雨の影響で、この時間になっても車道はかなりの深さで冠水して一向に引いて行く気配はない。この光景を目の当たりにして、イタリアの道って本当に大丈夫なのか些か心配になった。

(走行距離 71km)

ミラノの二つ星ホテル入口

ホテルが確保できたので、再び自転車を漕いでミラノ見物に出かける。

ミラノ観光の定番と言えばドゥーモ広場から観るミラノ大聖堂であるが、ちょっと違った角度で大聖堂を眺めるために隣のデパート屋上のカフェに行く。カフェに隣り合って同じ高さの目線で見る大聖堂には幾つもの尖塔が林立し、聖堂の向こうには沈みゆく陽に照らされオレンジに輝く雲が望める。ゆっくりコーヒーを飲みながら、大聖堂と暮れてゆく空を見るのも日頃味わえない贅沢なひと時だった。

スフォルツェスコ城、古びたミラノ市電

自転車旅行5.22 ミラノ⇒パヴィア