自転車旅行5.25 カリオン・デ・ロス・コンデス⇒レオン

5月25日(晴れ)

from Carrion de los Condes to Leon

◆朝7時半発

エイヴァルトが作った計画では、この日はちょっと長い距離を走るので朝7時半に広場集合と既に昨夜言われていた。ギリギリの時間に広場に行くと既に3人は待っている。街のカフェはどこも開いていないので朝食も食べずにスタートする。昼間になると走るのが嫌になる位暑くなるがこの時間はウィンドブレーカーを着込まないと寒い。昇る朝日に後ろから照らされて出来た長い影を追いかけながら走るのであった。

カリオン・デ・ロス・コンデスからの早い朝立ちなので背中に朝日を浴び長い影を追いかけながら走る。行き交う車は全くない。

そして巡礼者で賑わう街角のベーカリーカフェを見つけ、やっと遅い朝食を摂る。隣に座った若者グループの一人の韓国青年は足を引きずっている。聞くと足指のマメを潰し痛くてたまらないと言う。そして仲間の一人には前橋から来たという若い日本人女性もおり、人間関係に悩み、青春の蹉跌に直面した心をスペイン巡礼の道を歩いて蘇らせるのだと言う。屈託のない彼女の笑顔からはその兆しは見えた。

カフェでお会いした前橋からの若い女の子は三人の韓国人達とグループを組んで旅していた。

◆平地に広がる緑の麦畑

カリオンからレオンへの行程は時折なだらかにアップダウンはあっても所々にこんもりとした木々が茂る平原に一面緑の麦畑が遥か向こうの山まで広がるたおやかな道だった。行き交う車も少ないので二台の自転車が並行して走り、麦畑越しに遥か遠くに霞んだ山の景色を見たり、賑やかにおしゃべりをしながら、すっかりリラックスした気持ちで進む。時折歩いて進む巡礼道が現れ並行して進む。一人黙々と行く人、何人かで話をしながら進む人と聖地サンチアゴを目指して歩く巡礼者も数多くいる。目と目が合うと合言葉“ブエン カミーノ!”とお互いを励ます。自転車だけでなく歩く人たちもリラックス。

◆オランダ人の自転車マナー

三人のオランダ人と走り始め三日も経つと自転車に対する彼らのマナーがしっかりしていることも良く見えてくる。オランダを走った時にも感じたが自転車大国だけに子供の頃から徹底してマナーを教え込まれた走り方のようだ。右折も左折も道を曲がる時には必ず指さしサインを出す。腕を伸ばし人差し指をピーンと斜め下に向ける姿は堂に入っており、普段目視での後方確認だけで曲る癖の自分自身も同じように人差し指を斜め下に向けるのであった。まるで融通が利かないのであるが、人がまばらでも歩道上では自転車を引き歩き、車が通らなくても赤信号では必ず泊まるなど愚直なまでにルールを守る。

時々口げんかもするが仲の良いオランダ人三人は実にフレンドリーだった。

昼食を摂ったアルベルゲ

メリハリの利いた休憩の取り方も大いに参考になった。走り出すと二時間ほどは絶好のビューポイントも素通りしてずっと走り続け、休む時には一時間に及ぶ程ゆっくり休み、スナックと飲み物を摂りながらおしゃべりを楽しむのである。また、休憩する店選びも迷うことは全くなく、スナックと飲み物さえあれば店の体裁を気にしたり、入ることに躊躇することも全くない。(走行距離 107km)

威風堂々のレオン大聖堂と街を囲む城壁

自転車旅行5.26 レオン⇒アストルガ