台湾周遊自転車旅行 10.30 花蓮⇒台東

花蓮⇒台東

10月30日(晴れ)

◆花蓮でのプチ観光

今日の目的地に定めた池上に向けて走る前に二つのプチ台湾観光に行く。

ひとつはホテル近くの溝仔尾小吃街の朝市、もうひとつは慶修院である。

溝仔尾小吃街は一方通行の道に沿って何百mも店が続き、反対方向の一方通行の道沿いも店また店が続きごった返しているのである。

魚、肉、野菜、乾物、菓子といった食品だけでなくいろいろな雑貨もある一大ショッピングストリートで見飽きない朝市であった。

長い長い溝仔尾小吃街の市場街

慶修院は四国八十八カ所巡りをそのお寺を参るだけで完結できるもので、徳島の吉野から台湾に入植してきた先人たちが建立したものであり、本堂の他に境内には八十八カ寺の名を刻んだ石碑が並べられ、台湾人の参拝者が手を合わせている。

慶修院の本堂

ここだけでなく日本の植民地時代の建物が保存あるいは再建されているものを多く目にし、台湾の方々の心持ちが良く分り、日本人として本当にありがたい思いであった。

◆快調にロングライド

花蓮から池上に向かって両側を山脈に挟まれた川沿いの台九線を行けるところまで行って、その先は電車に乗って池上で泊まろうというのが、この日の計画だった。

走り出すと快調に進むのが実感できる。なにしろ道が良く幅広い機車道や自行道が整備された道が続いている。

一車線の車道と同じような広さの機車道と自行道がある橋

両側の山、とりたて右手には急峻にそそり立つ山や南国らしい木立を眺めながらのサイクリングは全く疲れない。

もうひとつ快調だったのには訳がある-常に追い風、それもかなり強い追い風が吹いていたのである。

一か所だけ北回帰線を越える直前に長い上り坂があったが、途中で電車に乗ることなく池上まで120km以上走り切ってしまった。

如何にも南国らしい景色

◆走行中に「ドアが開く!」電車で台東へ

薄暗くなって着いた池上でホテルを探すが何やら農業団体催しがあるので空き部屋がないという。

やむを得ずちょっと時間はかかるが台東に列車移動することにした。

自転車をたたまずに乗ろうとすると2時間余り待たないと持込可能な列車がないというので、15分後に来る電車に乗るべく大急ぎで輪行袋に詰める。

慌てるとロクなことがないもので、輪行袋から前輪フォークが剥き出したままの下手な詰め方でやっとの思いで電車に乗ることができた。

乗り合わせた二両編成の電車は動く骨董品と言ってもいいような無茶苦茶古いもので降りるためにデッキにいると走っているにもかかわらず突然ドアが開いてしまう。

これにはKatsさんと顔を見合わせ思わず笑ってしまったし、日本で起きたら新聞沙汰になっているだろう。

しかし、新規の鉄道路線工事が至るところで行われていたので、このようなユーモラスな旅のハプニングももうすぐ見られなくなるのかもしれない。

右手に田園風景と山並みが広がる米の名産地池上

◆台東での豪華ディナー

台東に下り立つと駅の周辺は真っ暗。

どうも駅は台東の街から外れたところにあるようで、何度も人に尋ねながら宿を探し、一軒の真新しい民宿を見つけやっと一息つけた。

が、それも束の間、民宿なので夜の食事はなく、周囲で食堂や弁当屋を探すがもう店じまいした後で何もない。

しかたなく駅前にあったコンビニ?というかちょっとした品揃えの店に行くが、弁当やパンの類もなく、店にあるのはカップ麺だけ!

そのカップ麺を民宿に持ち帰ると、嬉しいことに民宿の奥さんがお湯を沸かし、果物を差し入れてくれる。

いつものB級グルメは食べ損なったが、何より台湾のカップ麺が美味いことを知る機会に恵まれた。(走行距離 123km)

美味かったインスタント麺と差し入れの果物

◆台湾美味逸品

池上への途中立ち寄った村で村民に奨められたベトナム料理?の店で食べた豚肉の入ったフォー。台湾らしくスープは薄味にもかかわらず美味く、配合されたたっぷりの焦がしタマネギが良い味を出していた。