自転車旅行9.20 リンツ⇒イップス・アン・デア・ドナウ

9月20日(小雨のち曇り)

from Linz to Ybbs an der Donau

二泊三日のチェコ旅行を終えて再びサイクリングを始める。この区間を走るのは三度目。過去二回は西に向かって走ったのでウィーンに向けては初めてであった。

◆雨上がりの自転車旅再開

朝食を食べる前に空を見るとまだちょっと小雨が降っていたが、遅めの出発時間には上がっている。またリンツに来るまで暑かった天候も一気に秋モードに突入し、自転車で走るには最適になって来た。よほどの幸運に恵まれたのか自転車旅の再開に合わせるように天気も回復するという本当にラッキーな状況は最高の出だしになった。

リンツの街中からは聖三位一体の柱があるハウプト広場の脇を通り抜け、すぐドナウ川に架かるニーベルンゲン橋を渡りドナウ左岸を走るのであった。リンツ近辺のドナウ川サイクリング道は河川敷の内側の大きなブナの木の樹間を走る道と遠くの眺めを楽しみながら走れる堤防の上に付けられた道の二本がある非常にゆったりとした贅沢なものであり、未だ多少路面が濡れているが、雨上がりのヒンヤリとした中を気持ち良く走ることができた。 リンツからドナウ川沿いに来た道は一時間ほど走って来ると一度大きく左折し川から離れて走り、暫く林間、農地の間を抜けて行く。すると見覚えある道が現れ、それがマウトハウゼン収容所に向かう時に通った道だと直ぐに判った。

ドナウ川沿いの広々としたサイクリング道、ルート番号や距離表示も充実している

◆陽気なカナダ人との遭遇

マウトハウゼンからグラインに向かって走っていると、路肩に止まっている4人グループに出会う。中の一人が自転車を触っているのでどうしたのか尋ねるとスポークが折れたのだという。暫くすると次の街で修理することになり、ゆっくり走り出した。一緒に再スタートし4人組の一人、赤いウインドブレーカーの男と並走しながら話をする。カナダのバンクーバーから来た62才の彼は6週間ほどヨーロッパを旅する中で一週間だけドイツのパッサウからウィーンまで貸し自転車でサイクリングしている所だという。貸し自転車はウィーンで乗り捨て費用は140ユーロとのことだった。レンタル自転車の費用は良く知らなかったがこれを聞くと以外にリーズナブルと思え、走りたいと思った時にちょっと旅先で自転車を借りて走る旅も良いのかもと考えながら走った。

ドナウ川から一旦離れ畑や林が広がる道でスポークが折れて停滞中のカナダ人一行と出会う。

朝方で9℃、お昼でも18℃というヒンヤリと秋めいた天候下での走りは実に快調でこの日の目的地としていたグラインまでの60kmをほぼ午前中に走り切ってしまう。グラインに着いて最初に見えた瀟洒なカフェレストランは2014年の旅で夕食を摂ったところであった。店のスタッフ飲み物を頼むので店内で持参のランチを食べて良いかと尋ねると快く了解してくれ、ドナウ川が望める席へと案内してくれる。ゆっくり持参のサンドイッチを食べ、ショーウィンドウに美味しそうに並ぶケーキもオーダーし、丁度食べ終わると、カナダの4人組が入ってきた。冗談で”I have been waiting for over one hour!”と言うと、赤いウィンドブレーカーの彼は”No! a few minutes!”と返してきて大爆笑。しばし楽しい時間が過ごせた。この日は予定を変更し、さらに25kmほど走りイップス・アン・デア・ドナウというちょっと淋しいげだが古い歴史を持つ街まで走ることとなった。(走行距離 85km)

カナダ人達の自転車はレンタル。遅れて同じカフェで再び合流。彼らとは旅の途中でこの後も出会う。

歴史はあるがちょっと淋しいイップス・アン・デア・ドナウの街の一角に素朴な藁人形が飾られていた。

自転車旅行9.21 イップス・アン・デア・ドナウ⇒ヴァイセンキルヒェン