自転車旅行 7.16 グーテンスタイン⇒ドナウエッシンゲン
7月16日(晴れ)
from Gutenstain to Donaueschingen
◆手間のかかったパンク修理
グーテンスタインを出てボイロンまで小一時間、両側に迫る山の間を流れるドナウ川に沿ったL227号線は空気が清々しく、朝日が山肌に映え、実に気持ち良く走ることができる。滑らかな舗装の車道は交通量も少なく、まるで広い自転車専用道のようである。
ボイロンからはドナウ川を渡り大きな教会の脇から車道を離れ、山中の起伏に富んだダート道に入って行く。大きな木々とドナウの流れを聞きながら進む自転車道は常に日陰になっているので結構湿っている。しばらく行くと後輪の具合が何やらおかしくなってきた。調べて見ると尖った小石が刺さってパンクしている。前後を見渡してもベンチや休憩するスペースもなさそうなので比較的広いスペースを探し修理に取り掛かる。
慣れたものでそんなに時間もかけずに修理し、試に後輪を回すとカリカリと異音がする。原因が思い当たらない中このまま走るのも落ち着かないので再度外して一からやり直し、原因を探ると湿った砂の粒がホイールの中空部分に入り、回転とともに鳴ることが判った。
砂に触れさせないように注意していたつもりだったがうまくなかったようだ。
朝日を浴びて輝くL227号線沿いにそそり立つ岸壁
サイクリング道にあった素掘りのトンネル
◆トゥットリンゲンの自転車屋
草むらに倒した自転車を起こす際に、ブレーキをリリースするピン雑草に擦られ抜け落ちてしまった。走るには差支えないと思ったが気になるのでトゥットリンゲンの街で自転車屋に行くことにした。インフォメーションで確認すると直ぐに近くに自転車屋があるという。他の修理が終わったら取り掛かるというので、道の反対側にあるカフェで修理を見ながら待つ。ものの30分で「なおったぞ!」と呼んでくれ、日本人のメカニックも腕が良いそうだが俺も腕は良いと笑っている。しかし休憩を終えてスタートするとブレーキが片方擦って直ぐにドイツ人らしからぬ下手な修理だと気付いた。
整然としたトゥットリンゲンの市街
◆急遽の帰国要請
ここ数日LINEが出来なかったので夜さっそく連絡をすると些か女房殿がお冠であった。連絡がないので何かあったのではないかと心配してくれたことと、留守中に予期せぬ出来事が起き早く相談したいとの思いがあったためのことであった。
話を聞くと今年の旅はここで打ち切り早々に戻って問題を解決することが良いと判断した。
正直、走り続けたい気持ちも強かったが、旅はいつでも出来るので途中になるが打ち切って戻ることにした。
昨今、日本への連絡は総てLINEかSKYPEになり電話を使うことは全くなくなった。便利で費用もかからず、おまけに画像を見ながら会話できるので、ホームシックにもならないで済む。
そして、そのツールとして今年から使い始めたタブレットはコンパクトで軽く、戸外の明るい環境下でも使えるので、お奨めの旅ツールと言える。
ドナウエッシンゲン郊外の自転車道、ここもユーロヴェロ6号線の一部
◆どうやってスキポール空港へ?
早々の帰国を決めたので、さっそく地図を眺め鉄道路線を探して、どうやって帰り便の出発地アムステルダムに向かうかを考え始めた。真っ先に思い着いたのは黒い森を山越えして最も近いフライブルクに出ることだったが、うまく行き着く鉄道の路線が見当たらない。
改めて路線を探しながら見ると黒い森を南から北に約90km縦断し、一時間半足らずでオッフェンブルクに行く列車があり、ストラスブールにも近いことが分かった。
先ずは明日ストラスブールに出よう、そしてライン川沿いにアムステルダムまで行くのが順当なのではとおぼろげながらルートが浮かんできた。
(走行距離 90km)