台湾周遊自転車旅行 11.4 嘉義(阿里山)

嘉義(阿里山)

11月4日(曇り)

◆阿里山ダウンヒル

標高2000mを越える阿里山へのクライムヒルは自身の脚力からして論外であるが、ダウンヒルならできるだろうし、やってみたいものであった。

阿里山に行くなら森林鉄道と思っていたが、あいにく台風で線路が流されて復旧作業中とのことで、代わりにバスで行くことにする。

前日の間にKatsさんが時刻を調べてくれ、輪行で自転車が載せられる嘉義発の午前便は朝一番だけということで早朝6時10分発の始発バスに乗る。

嘉義を出発したバスは街中の幾つかの停留所で客を乗せ、一路阿里山に向かう。街の景色がだんだんと山がちの景色に変わって行く。

景色が変わるとともに空模様もだんだんと雲が厚くなり行く手も霧にけむって視界が悪くなり今にも降りそうである。 せっかくのダウンヒルも雨が降ったらできないだろうし、戻る手段の手立ても考えなければならないのでいささか憂鬱な気分にもなる。

靄がかかって幻想的な車窓風景

しかし、標高が上がるに連れて天気が回復し始め、向こうの山との間にできた谷間が真っ白な雲で覆われた雲海が見えるではないか。

嘉義から二時間半をかけて、その後も確実に標高を上げ2000mを越える阿里山国家森林遊楽区のゲートに到着した。

雲海に浮かぶ山々が見える景色

◆お年寄りに優しい入場料

台湾では種々の入場施設や鉄道で65歳以上の方を対象に割引制度があり、証明書を提示する必要もなく個々の申告で認めてくれるようだ。

普通の施設では通常価格の半額なのだが、何とここ阿里山国家森林遊楽区への入場料は大人150元に対して、老人割引はたったの10元!だった。

この入場料を聞くと69才のNobさんは思わずニコニコ顔になる。来年であれば対象になる私はこの差にガックリであった。

阿里山国家森林遊楽区料金ゲート

◆爽快だったダウンヒル

標高2170m地点のモニュメント前で記念撮影し、標高20mの嘉義市までのおよそ70㎞のダウンヒルの開始である。

ちょっと空気が薄いのを感じながら下り始める。

そんなにきつくない下りであるが何せ長く、山腹に刻まれた曲がりくねった道なので、スピードを出し過ぎて間違えてもひっきりなしに上ってくる観光バス反対車線に飛び出さないように下って行く。

ダウンヒル途中の絶景

遠くに見える山々が造る景色は雄大でカーブを曲がる度に移り変わって行くので、ぜひ写真を撮りたいと思いつつも、せっかく爽快に走っている流れを止めたくもないと走り続ける。

まだ10時前の早い時間に下り始めたので追い越す車は少ないので多少膨らんでも怖さはない。

ダウンヒルと言っても下りばかりではなく幾つかの上り坂もあった。傾斜は大きくないが結構長い坂もあり汗をかきながら上り、遠くの山々や深い谷間の集落が見えるところで一休みするが気分は爽快である。

堆積地層が剥き出しの斜面

◆阿里山烏龍茶で一服

ダウンヒルの途中で石棹付近に差しかかると、茶葉を天日で干している光景を見つけ、その中の一軒を尋ねることにした。

店に入ると品評会で優勝した記念の大きな額が何枚もところ狭しと掲げられている。運が良かったことにこの店は阿里山郷農会理事長の店だった。

女将さんが惜しげもなく半発酵と発酵させていない二種類の烏龍茶を何杯も飲ませてくれる。飲み比べると味の濃さ、香りの傾向、色合いなど違うものである。

新福源茶の庭先風景

当初は余計な荷物になるので買う気はなかったが飲んだお茶の味の良さに思わず買い求めてしまった。

しかし結果は正解で街や空港の売店で売っている物の中には実際の産地と違うものがあると言うし、何しろ非常にお値打ちであった。

阿里山観光に行く際には訪ねてみることをお奨めする。(新福源茶:嘉義県阿里山郷楽野村9-300)

(走行距離 76km)

◆台湾美味逸品

ホテルマンが奨めてくれた嘉義で最も美味いと評判の鍋専門店の逸品。お好みの具材を選び、好みの調味料をブレンドして食べる鍋。肉、魚に野菜、きのこから出たスープの味は美味い限り。