自転車旅行7.10 ヴィランドリー⇒ランジェ(フランス)

From Villandry to Langeais

7月10日(晴れ)

◆ベーカリーの店先での朝食

朝7時、上る朝日がまぶしい中を散歩に出かけるが小さな街というか村なのであっという間に歩き回れてしまう。大通りを外れ街中を行くと坂ばかりで、高台の一角には古びた教会がある。

ツール・ド・フランスの案内

泊まったホテルもレースが通るラウンド・アバウトからわずか200mほどのところにあるので見に行くと、同じように下見に来ている人たちが、見物する場所決め、カメラアングルなどしきりと確認しているではないか。

そのコーナーの八百屋で買い物をして「ツール・ド・フランス」と外を指さすと今まで険しい顔をしていた親父がにっこり笑い、レジ台の下からパンフレットを出しくれる。思わず「メルシー ボクー」と。(走行距離 31km)

アゼルリドー城

◆「ツール・ド・フランス」を見る

ランジェの街に泊まった理由は「ツール・ド・フランス」にある。朝出がけにヴィランドリーのホテルでツール・ド・フランスについて聞くと、ランジェ近辺が私のサイクリングルートと重なる地点だと判り、ツール・ド・フランスをこの目で見るチャンス、それも今年は100回記念大会となれば、是非見てみたいと考えたのである。

城内部の構造展示

庭から見たお城の景観は水と木立がよく調和しており、朝方見てきたヴィランドリー城が人工美を至るところで感じさせるのとは違うが、これはこれで良いものである。

アゼルリドー城

この城では城の骨格の構造展示をしていて興味深い。中央に芯柱に相当する大きな石材が積み上げられ、それを中心に太い木材が差し掛けられている。要所に使われている木材は石材を削った溝に填めこまれ、石材と木材を精緻に加工した技術には驚かされる。

サイクリング中のイギリス人夫婦

◆アゼルリドー城

アゼルリドーの街へは長い坂を延々と下って行くと到着する。川沿いにある城なので納得ではあるが、「下りれば次には長い上りが待っている」と頭をよぎる。

ヴィランドリー城の庭園

◆アゼルリドー城への田舎道

走りの最初は川筋から丘へのきつい上りで、その後は長い上り坂が続く道で息が上がる。

上がり切ると田園風景がいっぱいに広がり、涼しい風と鳥の囀りに後を押された快適な走りになる。アゼルリドー城までは10kmほどであるが、しばらく行くとオレンジの旗をはためかせた二人乗りのリカベントベント様の自転車がゆっくりゆっくり行くのが見える。挨拶するとイギリスからの夫婦で6週間の休暇を使ってキャンピングカーでフランスを回るのだと言う。車で必要なところまで移動し、移動先の良いところを自転車で回るという。太った奥さんが妙に自転車には不釣り合いなのが微笑ましい。

ヴィランドリー城

パン屋の店先での朝食

◆庭が秀逸のヴィランドリー城

フランスらしいのか9時ちょうどには開かない。それどころか、9時を5分ほど過ぎてスタッフとおぼしき一人の青年がやって来て、ちょうど開門に来たスタッフと鉢合わせ。遅れた言い訳をしているのだろうか何かしきりと訴えているが滑稽に見える。

城内に入るとさすがに庭園の美しさで有名なお城だけあって、幾つかのゾーンに分けられ夫々趣向を凝らしている庭が素晴らしい。高台に上がって眺めると朝早いのに多くの庭師がすでに働いており、その手入れの良さが一目瞭然良く分かる。

ヴィランドリーの古びた教会

目を右にやると朝日を背にしたヴィランドリー城が見える。お城の開場は9時からと分ったので、まずは散歩中に見つけたベーカリーでフランス流の朝食をとる。

クロワッサン、チョコデニッシュにコーヒーを頼み店先の椅子に腰かけてゆったりと戸外でいただく。店には引っ切りなしに来るお客と女主人が笑顔で話をしている。

フランス語で全く意味は分からないが、いつも交わす挨拶だろうと聞きながら、お城の開場時間を待った。