自転車旅行6.08 ル・ブヴレ⇒ローザンヌ
6月8日(天気)
from Le Bouveret to Lausanne
◆空気入れで清々しい一日が始まった
地図をつぶさに眺めてもローヌ川を跨ぐ橋は昨日渡ってきた一か所だけしかなさそうで、ローザンヌ方面に出るには昨日来たランシュ道路の突き当たる所まで戻るしかない。橋の手前まで来ると何台もの車が道路脇に駐車されており、皆一様に自転車で走り出す準備をしている。どうやらここにから思い思い湖畔や山間のサイクリングを楽しむようだ。
その中にちょうど空気を入れている夫婦がいたので、その空気入れを借りて万全の態勢にしようと停まる。話しかけるとサイクリングが夫婦共通の楽しみで今日はレマン湖に沿って走るのだと言う。
持っている空気入れが具合悪いので貸してくれるようにお願いすると、ご丁寧なことにご主人が入れてくれる。空気だけでなく心も満たしてくれ清々しい一日が始まった。
空気入れの部品を落として以来、自転車屋を見かける度にペダル付の空気入れを探すが全くない状況は続いて来たし最後まで続いた。Yajiさんのおかげで誰かの手を借りれば完璧に入れられるようにはなったが、それでも面倒なので拝借できるのは有難いものだった。
空気入れを拝借した夫婦はここら辺のレマン湖畔を一日サイクリング
◆レマン湖畔の景観はどこから見ても絵葉書
ローヌ川を渡り、昨日走って来た右手にアルプスの山々を見ながら林間の道を暫く走るとビルヌーブでレマン湖畔に出る。落ち着いたビルヌーブの湖畔からは180度に広がる湖と山の絶景が一望でき、しばし贅沢な景観を見ながらのコーヒーブレークをとる。
ル・ブヴレからビルヌーブの街までの行程
再び走り出した湖岸の道シヨン通りは一車線がバス専用レーンになっている。スイスのバスレーンはバスだけでなく自転車も走れるレーンなので車に全く気を使うことなく走れて快適であった。シヨン通りを下って行くと詩人バイロンの「シヨンの囚人」の舞台で知られ、レマン湖畔随一の城と名高いシヨン城が見えて来た。12世紀半ばに建設が始まった城は湖畔の小島に建っているそうだが、ここからの眺めは今だけでなく昔からも変わらぬ美しさを持っていたと思うと素晴らしい景色はいっそう美しく見えた。
シヨン城から下った小路は湖岸に出てモントレーに続いていた。自転車専用道路ではないが車が通らない広いプロムナードが伸び、多くの木々に囲まれ、花々が飾られており、左手を眺めると満々と水を湛えたレマン湖とその向こうに連なるアルプスの山々が贅沢なほど画面いっぱいに広がっている。この景観はここが高級リゾート地であることを強く印象付けていた。
シヨン城からモントルーの湖畔一帯は対岸にアルプスを望む高級リゾート
◆トラブル発生
ローザンヌの街まで数kmの辺りでチェーンが外れてしまった。元に戻そうとチェーンをかけ直し動かしたところ、チェーンと変速機のガイドが噛んでしまい、どうやっても戻らなくなってしまった。もっと注意深くやれば良かったと悔やんでも時すでに遅く、どこか自転車屋に持ち込んで直してもらうしかなくなってしまった。
幸いチェーンは絡んでも前にだけは進むので、押しながら自転車屋を探した。すぐに一軒の自転車屋があると聞きつけ向かうと、何故かウィークデイなのに休んでいる。改めて道行く人に尋ねてちょっと離れた自転車屋に行くと他の修理を中断して即座に修理かかってくれる。が、スタッフはボトムブラケットが摩耗していて、直ぐにでも交換したほうが良いと言う。
考えてみると昨年ドナウ川を走っていた時にもペダルを踏み込むとガタツキがあり、自転車屋に診てもらったほうが良いかと思いながらも何もせずいた。ついていないことが重なると思う反面、もっとメンテナンスに注力しなければならないことを教えてくれた。
旅の後半でもメンテ不足を痛感した場面があったので大いに反省させられたのであった。(走行距離 44km)