From Paimpol to Morlaix
7月18日(晴れ)
◆ロードレーサーの道案内
この日もたびたび標識がない場所に遭遇する。勘を頼りに行くと往々にして道に迷い痛い目に合うので、道の分岐などで進行方向が判らなくなったら、すぐに道を尋ねるようにしているが田舎道では人を見つけるのも難しい。
レース観戦の夫婦
レース
隣に座っていた奥さんが、これは年に一回だけ開催される自転車レースで二時間以上かけてコースを62周回して優勝を決めるという。そして「内の旦那も若いころは早かった」と嬉しそうに言う。(走行距離 48km)
置き場のない輪行袋
待ち合わせ時間が一時間半ほどあったのに加え、一時間十分ブレスト行が遅れたのである。
パリから来る奥さんを待つフランス人は「こんなのはいつものことで、昨日パリを出た列車が今日この駅に着いて、モルレーには明日着くと思ってる」と皮肉を言うし、時刻表にはなかなか到着ホームや正確な到着時刻が表示されず、駅員に到着時間や理由を聞いても一切分らない有様であるが、フランス人にとっては当たり前のようだ。
正確性以外にも違いは多くあり、何度かフランス国鉄(SNCF)を使ったが、高速列車TGVは快適な新幹線に乗りなれた身には決して快適ではなかった。プラットホームとの段差、列車内にもある段差、タッチしないと開かないし通る前にしまってしまうドア、固定の座席、外装の雑ででこぼこした塗装などなど列車の仕様は明らかに違う。
当たり前のように利用していたJRであるが、こうやって比べてみると凄い底力を持った技術とサービスの塊であると痛感した次第である。
◆モルレーの自転車レース
レストランで食事していると、すぐ先のラウンド・アバウトの交差点をロードレーサーの集団が疾走して行くのが目に入る。街中の道をサーキットにしてロードレースが行われているのである。
食事を早々に終わらせ、レースが通過する道路脇のカフェに席をとり、絶好の位置でじっくり観戦を決め込む。50~60台ものロードレーサーの集団が競いあって通り過ぎて行くのをコーヒー片手に見るのは贅沢だと思うし、またとないチャンスであった。
遅れは当たり前?のフランス国鉄
ランニオン
道案内してくれた地元レーサー夫婦
◆日本のJRは本当に素晴らしい!
ランニオンからモルレーまで列車移動したが、JRなど日本の鉄道会社が如何に素晴らしいか気付かせてくれた。
この区間は40km足らずだが、ランニオンからパリ行きの列車で乗換駅ガンガンまで行き、ブレスト行に乗り換えモルレーまで行くのである。この間3時間半以上もかかってしまったのである。
サイクリング道表示
そんな時は歩きや自転車の人だけでなく時には走ってくる車をも止めて尋ねるのであるが誰一人いやな顔もせずに教えてくれようとする。
地名を言うと多くは全く意味不明のフランス語でまくし立てて来るが身振り手振りを見ながら行くべき方向を理解するのである。
ある時、走ってきたロードレーサーに乗った夫婦を捉まえて道を聞くと、その道への分岐点まで行くから付いてこいと言う。ふたりが走って行くその後を追いかけるのは大変!何しろ早いので後に付くのが精いっぱいなのに、上りの坂に差しかかる。必死に漕いで上り切るとそこが分岐点で右に行けというが、「ゼイゼイ!ハーハー」完全息が上がり、足はパンパンになる。お前大丈夫かと言ってるのだろうか笑いながら何か話かけてくる。辛かったがいい思い出だ。