自転車旅行 7.09 パッサウ⇒デッゲンドルフ
7月9日(くもり)
from Passau to Deggendorf
◆雨のパッサウ街歩き
朝起きて外を見ると、黒く分厚い雲で覆われた空から冷たい雨がそれも本格的に降っている。どうやら今日はこんな天気が午後まで続きそうなので、走ることは止めて適当な街まで電車移動することにした。
列車移動にすると、時間はたっぷりあるので心置きなく街を歩くことができる。リバークルーズ船が停泊しているホテル前をドナウ川に沿って先ずはイン川との合流点に向かうと雨にも関わらず多くの観光客が同じように散策をしている。ドナウ川の対岸は中世の雰囲気が漂う。山上の館、川沿いの城壁、館そしてその間を抜いたトンネルと絵になる景色が続く。
合流点には錨のモニュメントがある公園があり、ドナウ川からの黒っぽい水とイン川からの青みがかった乳白色の水が流れ込み、その水の色の違いはかなり下流まではっきりと見ることができる。イン川に沿って折り返し、階段を上って広場を過ぎると印象的な聖シュテファン大聖堂に行き着くが、ここはゴージャスな内装に加え世界最大のパイプオルガンで有名なのだと言う。
すっかり中世の世界にタイムスリップして雨のパッサウを楽しんだ。
対岸の風景はドナウの流れと調和し歴史を感じさせるものであった
カラフルな建物が連なるシュスターガッセ
聖シュテファン大聖堂
●電車を乗り継いでデッゲンドルフに
パッサウから50キロほど走ったつもりでデッゲンドルフまで移動することに決めてパッサウ中央駅に行くと、駅構内に同じような格好の長距離サイクリストがいる。自転車でヨーロッパを巡り始めた頃は総ての行程を悪天候であろうと走り通すことを良しと考えていたが、今では楽しく旅をすることが主眼になり、多くの人が悪天候の中を好んで走りたくないことを目の当たりにした気持ちになった。
電車は雨で煙るドナウ川沿いに進みプラッティングで次なる電車に乗り換えとなるのだが、デッゲンドルフへのホームには一両編成のカラフルな電車が入っている。日本で言うと地方の第三セクターの赤字線?が想像されるが車体のカラフルさからは暗さはみじんも感じられなかった。
雨に煙る車窓風景
プラッティングからデッゲンドルフまで一両だけのカラフルな電車
●古い街並みを生かしたデッゲンドルフの街づくり
デッゲンドルフの歴史地区は両サイドに二つの教会が向き合った長さ200メートル足らずの広場を中心に広がり、教会や家並が醸す雰囲気が歴史を感じさせる良い街だが、そこには近代的な施設が街のイメージを損なうことなく隠されていた。広場の一角に目立たないようにガラスの瀟洒な出入口の案内があり、その先の地下に駐車場やトイレが設備されているのである。せっかくの雰囲気を壊さずに施設を作るのに住民が大いに知恵を出しているのであった。
デッゲンドルフの旧市街の街並みと聖ピーター&パウロ教会
もうひとつのデッゲンドルフの教会