自転車旅行6.22 サルグミーヌ⇒ミッタースハイム

6月22日(曇りのち雨)

from Saareguemines to Mittersheim

海外走行累計一万キロ突破の記念日

6年前、還暦の年に初めての海外サイクリングとしてロマンチック街道を500km余り走り、すっかり自転車旅の虜になってしまった。以来、毎年の旅で延べ二十カ国近い国々を訪れることになった。そして始めた時には全く思ってもいなかった距離一万キロに届くまでになった。 今回の旅ではサイクルメーターはミラノを0kmで出発してから一切リセットせずに走り、1850km到達が累計一万キロ突破になると見ながら走って来た。

そして雨の中しかも間違えた道を戻る途中というみっともない状況下での達成に思わず「自分らしい!」と笑ってしまった。しかし、その後最悪事態に陥ることなど全く思いもしなかった。

ミッタースハイムのホテルの窓から

最悪の体験 第二章

前日ほどではないが薄っすら太陽が見えるほどの曇り空である。 テレビの天気予報を見ても判然としないので、ホテルオーナーに天気の具合を聞くと、昨日よりも良くて薄曇りでちょっとだけ雨が降ることがあるとのこと。それを聞き安心してスタートし、昨日来たサラルブを過ぎると雨が降り出した。

オーナーの言で多少の雨は降ると進んでいると、悪いことに後輪がパンクする。自動車道が交差し雨宿りできる場所でタイヤの確認とチューブ交換をすると茶色っぽい尖った石が刺さっている。自転車道の両側に新しく赤茶色っぽい砕石が撒かれたばかりで細かく粉状になったものが薄っすら白く道の両端にあるので気にはなっていたが、どうもこれが原因のようだった。修理し雨の中魚釣りをしていた青年に助けてもらって空気も満タン入れスタートする。しばらく行くと今度は前輪がパンクするので少しだけ雨避けになる大きな木の根元で修理するが、タイヤの内側を探っても原因は良く判らないし、雨の中の修理は悪戦苦闘そのものであった。 そして走り出して直ぐに後輪がまたまたパンクし、スペアタイヤも無くなり、更にパッチセットも底をついていたので万事休す!となってしまった。

あいにく降る雨は止む気配がなく所かむしろ強くなり、道行く人も途絶えてしまい助けを求めることもできない。取りあえず人家のある最寄りの街ミッタースハイムまで自転車を引いて行きタクシーを呼んでもらってホテルのあるサルブールまで行くしかないと対処方法を考え、一人ぼっちの雨の中を7kmほど歩いた。

ミッタースハイムの街に来ると幸運にもあるはずのないレストランホテルがあり、聞くと教会のそばに自転車屋もあると言うので、向かうと自転車屋でなく小さな街というか村唯一の修理工場兼ガソリンスタンドのようで、店主はトラクター修理の真っ最中だった。

事情を話し前輪のチューブと持っている二本のスペアチューブの修理を頼んで、やっとパンク騒動は終わった筈だった。(走行距離 53km)

小さな村ミッタースハイムの何でも修理する店

パンク修理中(パンクキットも切らして止むを得ず修理を依頼)

自転車旅行6.23 ミッタースハイム⇒サルブール