自転車旅行5.23 パヴィア⇒ピアチェンツァ

パヴィアの大聖堂

5月23日(曇りのち雨)

from Pavia to Piacenza

ユーロヴェロ8号線を目指す

パヴィアからヴェネチアまでは基本的にはユーロヴェロ8号線で行く予定だった。

ユーロヴェロはEU規格で作られた自転車道で道路本体だけでなく標識や休憩施設なども整備されたもので、今までにも色々な国で走ったことがあり、その走りやすさは体験済みのはずだった。

ほんの二日間だけだが走ってみて、イタリアの道は決して良くはなかっただけに、ポー川沿いのユーロヴェロ8号線にさえ乗れば、快適に走れるはずだったが、その期待は大きく外れたのであった。

数少ない自転車用標識

ユーロヴェロ8号線も多くの一般道と同様、舗装されていても路面状態は悪い。長期間改修されていないようで穴ぼこやクラックのある粗い路面が多く現れ、改修されていても補修が雑で走りづらく、標識も決して充実しているとは言えなかった。EU規格のユーロヴェロといえども国によって大きな違いがあることが身を以て理解できた。

道路は公共インフラの最たるもので国の基本を成すものだと思うが、ほんの少しだけの経験でイタリアの国情が断片的かもしれないが垣間見えた気もした。

パヴィアの朝市

空気入れのノズルが脱落!

ポー川沿いの凸凹ユーロヴェロ8号線を走っている時、トップチューブに取り付けた空気入れのホースが固定されずにブラブラしている。ホースの先端に付いているはずの金属ノズルがなくなっており、どうも凸凹道の振動で緩み、落ちてしまったようだ。

無くしたことは今更仕方ないし、代わりの空気入れを手に入れさえすれば問題解決と軽く考えていた。しかし、事はそんなに甘いものでなく、場合によっては旅の中止を考えなければならない事態であることが後々判ってきた。

携行していた空気入れは特殊なものでなく、片方の足でペダルを踏んで安定させ、引き起こしたハンドルを両手で押して空気を入れる形式のもので、日本国内ではどこの自転車屋でも普通に売っているものであった。

それにもかかわらず、そんな極々普通の空気入れが、ヨーロッパではこの日以降どこの国のどこの街の自転車屋を探しても全く見つからず、売っている物は全て足で固定するのではなく、両手の腕力だけでポンプを圧縮して空気を入れる形式のもので、腕の力を思いっきり使っても満足に空気が入らない代物としか思えなかった。

むろん、携行タイプの空気入れがなければ安心して自転車旅を続けられないので、やむを得ず使い勝手の悪さを承知で使えもしない空気入れを買うには買った。

案の定、実際パンクした時にYajiさんの助けを借りずに一人で試してみたが満足に空気を入れられるものではなかった。

ヴェネチアまではYajiさんが一緒なので良いとしても、別行動になってからのことを考えると不安にならざるを得なかった。

翌朝のピアチェンツァの先の比較的路面の良いポー川堤防道路

新婚サイクリング旅inイタリア

反対方向に進んでいくのであったがミラノを発ってから初めての長距離サイクリストを見かけた。

地元のサイクリストが乗るロードレーサーには車の往来が少ない道などで度々出会ってはいたが、サイドバッグを装備したサイクリストと会うことは全くなかった。

走り始めてから三日も経ってから、初めての長距離サイクリストに会うこと自体、イタリアは長距離サイクリングに適してないのかと考えさせられた。

出会ってから暫く進み道端で進路を確認していると先ほど行き過ぎたカップルの長距離サイクリストが戻ってきた。言葉を交わすと方向を間違えたようで二人も私たちと同じくヴェネチアに向かうと言うのでそこからは四人連れで走ることになった。

ポー川沿いの堤防脇の村まで走り、小さな教会前で昼食にする。食事しながら話しをすると、スイスに住むIT技術者の二人は4週間の新婚旅行中でイタリアを走っているのだと言う。

小さな村の古びた教会

一緒に走りながら二人を見ているとマッチョなドイツ人の旦那さんがどんどん先行し、フランス人の奥さんが遅れながら付いてくるという図式だ。私たちは雨の中ピアチェンツァまで来て泊まることにしたが、彼らは更に先まで行くとのことで些か二人の先行きが心配だった。

Yajiさんと新婚カップル

(走行距離 69km)

自転車旅行5.24 ピアチェンツァ⇒クレモナ