5月27日(快晴)
from Verona to Mantova
◆チェリー農家での出会い
この日の計画はヴェローナからイタリア最大のガルタ湖に行き、そこからユーロヴェロ7号線を走って一昨日泊まったマントヴァに戻るものだった。
天気も悪くない。昨日の雨で冷涼な空気に入れ替わったのか涼しい朝になり、なだらかな丘をアップダウンする道も気持ち良く走れる。
丘の道を行くと村の一角にチェリー直売の大きな看板を掲げた農家があるので立ち寄ってみると、家の中で摘みたてのチェリーを売っている。
1kg3.5ユーロで売っているが、Yajiさんと二人で幾ら食べても多過ぎるので半分の500gだけ売って欲しいと言うと、どういう訳か値段もたった1ユーロにまけてくれた。
五人連れのドイツ人サイクリスト
◆風光明媚なガルダ湖
ガルダ湖への最後のアプローチはミンチョ川右岸沿いのSR249を行くのだが、この道も路側帯がない上に、湖畔近くで高速道路と接続しているためか交通量がけっこう多い。我慢して走るがインターチェンジ辺りまで来て、ついに大型車の通過に耐え切れず、裏道をつないで湖畔に出た。
ガルダ湖畔に着くと気分は一変した。湖畔からの景色は今まで見てきたイタリア「茶色のイメージ」とは全く異なるもので、青々とした湖とアルプスに近い山々と涼やかに吹き抜ける風の爽やかさからは「青色のイメージ」が感じられ、スケジュールを変えてでもこの湖を周遊してみたくなったので、Yajiさんに一周してみないかと誘うが余りにも突然だったのか色よい答えはもらえず残念ながら断念(笑)。
甘いチェリーを500g1€でゲット
ひと時チェリー休憩をすべく庭先に出ると大人と子供の5人連れの集団が来た。ヴェローナからの道で誰一人遭っていなかっただけ奇遇だった。彼らはハンブルクから来た家族連れとミュンヘンに住む友達で、ヴェローナからヴェネチアの方に行くのだと言う。一緒に和気あいあいと情報交換しながら食べたチェリーは甘かった。
涼しい風が吹き抜ける真っ青なガルタ湖と
自然の景観だけでなく魅力いっぱいで、ガルダ湖が流れ出すミンチョ川の根元にある要塞の街ペスキエーラ・デル・ガルタには石組みした高い城壁がガルダ湖と入り組んだ入り江に沿って構築されている。ガルダ湖とその城壁のコントラストは素晴らしく調和がとれ、いにしえの歴史を感じさせるものだった。
城壁のある湖の景色がい美しいペスキエーラ・デル・ガルタ
◆ユーロヴェロ7号線でマントヴァへ
ユーロヴェロ7号線は「Sun Route」と名付けられ、ノルウェイの北端ノールカップから地中海マルタのバレッタまでの9か国を行く自転車道で、ガルタ湖畔からマントヴァ間はそのほんの一部である。その7号線でペスキエーラの城壁を見ながらミンチョ川沿いに林間の道を進むと、川の両岸に道が現れる。左右どちらを選ぶか迷ったが右側を行くとブッシュの中のダート道になり、反対側の道を見ると何人ものロードレーサーが快調に走って行く。どうやら正解ではなかったようだが、道は道と割り切って進み、5kmほど走ってようやく橋のたもとで合流することができた。
ミンチョ川沿いのユーロヴェロ7号線
そこから更に行くと「イタリアの最も美しい村」ボルゲットに着く。中州にある村の中を流れるミンチョ川が幾つもの流れに分かれ、その流れが建物と調和して独特の「水のある景色」を作っている。そして川の向こう側には13~14世紀に造られたという石の砦のようなヴィスコンティ橋があり、その橋を貫通して通された道を車が通り抜けて行く。中世と現代が織り成す見られないものだったが、城壁の跡は村の至る所で目にすることができた。(走行距離 81km)
”イタリアで最も美しい村”ボルゲットの景観