自転車旅行 7.13 ドナウヴェルト⇒ディリンゲン

7月13日(くもり後晴れ)

from Donauwerth to Dillingen

◆ギネス級の鼻毛のお爺さん

この日の最終目的地は80キロ先のウルムか更に25キロほど先のエーインゲンにしようかとはっきり決めずに出発することになった。そんなこんなを考えながら走っていると、いつの間にやら標識を見落とし道を間違えてしまったようで、コーンや小麦の畑が広がる道に入り込んでしまった。

しばらくして小さな村に差し掛かると、お爺さんがいたのでウルムへの道を聞くことにする。近づいて行くと何やらお爺さんの様子が違うので、よく見るとお爺さんの真っ白な鼻毛がまるで二本の筆を両方の鼻の穴に突っ込んだように突き出ている。見事なまでに伸びた鼻毛はギネス級!、ウルムの方向は指をさして示してくれたが印象深く記憶に残っている。

◆ディリンゲンの誕生祭

ディリンゲンはドナウヴェルトからドナウ川に沿って南西に30kmほど行った街に着くと色とりどりの旗が見える。「何か?」と近づいて行くと麦わらの束で飾られた通りには、真昼間なのにたくさんの人が出ている。

民族衣装で着飾り、ビールを飲み、ごちそうを食べ、いろいろな露店を見て回ってお祭り騒ぎである。ディリンゲンのメインストリートだけでなく、横道を覗いて見ても人また人で溢れ、露店が立ち並んでいる。スタッフのベストを着た人をつかまえ聞いてみると「ディリンゲンの街誕生750年、節目のお祝い!」で盛大にお祝いをしているとのことで、街中あちこちで色々な催しがされているようである。街の歴史を記した年表を見てみると西暦973年にディリンゲンという名前が文書に記され、1264年に街が設立されたとある。

こんなお祭り騒ぎに遭遇するチャンスはなかなかお目にかかれないし、今まで見たことのないようなものもありそうなので祭をとことん楽しむことにし、急遽ウルム行きをやめて宿を探すことにした。

祭会場の目抜き通りを進んで行くと一軒のガストホフを見つけ、その中庭に行くと何とそこも即席のビヤガーデンになりソーセージを食べ、ビールを飲んでいる人で賑わっている。街中どこもが祭会場だ。

門の向こうは旗で飾りたてお祭り騒ぎ満開

カメラを向けると喜んでポーズをとってくれる麦わらのソファーに座る中世のカップル

中庭もビールを飲む人たちでいっぱい

◆750年前の世界にタイムスリップ

昼過ぎの早いチェックインを済ませ、早々に街に繰り出すと、至るところでイベントが催されている。750年前の時代を再現したものも多く、鎖を編み込んで作った鎧を着て刀やボーガン、盾で武装した兵士達、幔幕の前で当時の衣装で輪になって踊る人々、見たことのない楽器や太鼓、バッグパイプを奏で歌う人たち等々、中世の時代を彷彿とさせるシーンが繰り広げられている。また中世の日常生活をも垣間見られ、昔ながらのパン焼き、糸紡ぎ、鍛冶仕事、たき火を囲んでの談笑など750年前に思いを馳せて見ることができた。

(走行距離 36km)

自分の好みの衣装で中世気分を味わう人たち

民族衣装で熱演するミュージシャン

自転車旅行 7.14 ディリンゲン⇒エーインゲン