自転車旅行6.02 リスボン

6月2日(晴れ)

in Lisbon

◆マドリッドへのチケット

この日最初にすべきは翌日のマドリッド行きのチケット確保でサンタ・アポローニア駅に行く。アポローニア駅には昨日来たテージョ川沿いの道を戻るとすぐに行き着くアルファマ地区にあり、一見しただけではまるで駅には見えない新しくないごく普通の建物であった。アルファマは唯一リスボン大震災を免れた旧市街地区で赤茶けた屋根に白い壁の家並が続く街で駅の後ろにはサンタ・エングラシア教会が見える。

マドリッド行きの切符を求めると明日の分は既に完売だと言うので、一日ずらして明後日のチケットはどうかと聞くとこれもすべて完売だと言う。困った!まさかチケットを買えないとは思いもよらないことだ。

仕方なくホテルに戻りスタッフに事情を話すとマドリッドへは夜行バスが出ているので、良ければネットで予約をしてやると言ってくれる。言ってくれたものの中々すんなりと予約が出来ず悪戦苦闘を続け、やっと予約表をプリントアウトしてくれた。

美しい噴水のあるロシオ広場の先にある駅からはシントラに行く鉄道が発着している。

◆ロカ岬、シントラ観光

この日は郊外を巡ろうとロシオ駅に向かう。ホテルに面したアーウレア通りをロシオ広場に向かって歩けばすぐに着ける。ロシオ広場に面した駅舎のファサードは素晴らしい。16世紀初頭のマヌエル様式を再現したもののようであるが近代的なオリエンテ駅やごく普通のアポローニア駅に比べるとひと際華やかに見える。

エスカレーターで二階にあるプラットホームに向かうと驚くほどの長蛇の列が出来ている。身なりからして列の多くはシントラやロカ岬に行く観光のようである。観光客で満員になった列車は40分ほどでシントラ駅に到着する。ロカ岬やシントラ観光にはツアーバスで巡るのがリーズナブルで便利である。バスは名所毎にあるバス停に停まり、自由に観光し、また来たバスに乗って巡るスタイルだ。

真っ白なシントラ王宮とカラフルなぺーな宮殿

ここでの最重点観光ポイントはロカ岬。地理大好き人間にとっては前々から行ってみたい場所で、最も大きなユーラシア大陸最西端の地で海を眺め、コロンブスやバスコダガマがどんな思いで航海に臨んだのか、ロカ岬に立ってそんな気持ちを想像してみたかったのであった。シントラ地区の細くて険しい道を上り下りして向かう。

降り立ったロカ岬からはの景観は絶景だった。目の前一杯に真っ青な大西洋が洋々と広がり、断崖の真下に見える岸には白波が荒々しく打ち付けている。また大西洋を渡ってくる強烈な向かい風が間断なく吹きつけられると地の果てに立っているという感覚になった。コロンブスは1492年に西回りでインドに到達するという目的で航海を始め新大陸を発見した時にもインドに着いたと思っていたようなのでアメリカ新大陸を発見したとは思っていなかったようである。もっともっと昔に想いを馳せて海を眺めていたかったが吹きつける風は驚くほど強く体がすぐに冷え切り、観光案内所に避難しなければならない程だった。

紺碧の大西洋から断崖絶壁のロカ岬に強い風が終始吹き付けていた。

ロカ岬の帰りはムーアの城塞、べーナ宮殿やシントラ宮殿などを巡る。一番のお奨めはムーアの城塞だ。山に築かれた城塞は8~9世紀に北アフリカからイベリア半島に侵攻したイスラム信仰のムーア人によって山に築かれた要塞で、谷を渡った向けの山頂には色鮮やかなべーナ宮殿が望める、また、眼下には豊かな緑の大地と紺碧の大西洋が望める。また城塞の要所には色々な旗が掲げられており、中でも鮮やかな緑色地に白く抜いたアラビア文字の旗が印象的だった。

ムーアの要塞からはシントラの建物群だけでなく遠くに大西洋も望め素晴らしい眺めだった。

自転車旅行6.03 リスボン⇒マドリッド