自転車旅行9.27 ポダースドルフ・アム・ゼー⇒フィッシャムエント

9月27日(晴れ)

From Podersdolf am See to Fischamend

◆ノイジードル湖の自転車道網は完璧

朝方は湖を越えて吹いてくる風のためか気温9℃と寒いので長袖、Tシャツ、ウインドブレーカーにチョッキを着込み万全の寒さ対策をとる。そして走り出す前にすっかり気に入った“雀のお宿”に向かう。さぞかし賑やかに騒いでいると思って向かったが全く雀たちの気配がない。残念ながら朝7時半なのに既に朝ご飯を食べに出かけたようだった。

この日のコースは湖畔沿いにノイジードル・アム・ゼーに向かい、そこからちょっと遠回りだがドナウ川方面に北上し、川沿いで左折してウィーン国際空港に近いフィッシャムエントに向かう予定を立てていた。走り出しは昨日と同じB10号線で湖畔沿いに進む道なので鳥が舞う湖の景色と思っていたが、大半はのどかな畑の中を行く。植えられた作物ごとに色目が違う畑の向こうに畝が伸びている。期待した湖畔の景色とは違っていたが私はそれなりに景色を楽しむことができた。ノイジードル・アム・ゼーの手前まで来ると多くの自転車道が入り組んでくる。B10だけでなくR1、B21、B25、B29などが時には同じ道に重なって付番され、どこで分岐していくのか見逃さないように標識を見ていないとパルンドルフへの道を間違ってしまう。日本では考えられないほど多くの自転車道が整備されたノイジードル湖畔はうらやましい限りであった。

しかし、湖沿いの道をノイジードル・アム・ゼーで離れB29でパルンドルフに向かいブルックへ行くことにした。ブルックへは二通りの道があったので車の少ない方を選んだが判断が悪かった。列車も通らないのに遮断機が下りっぱなしの踏切を潜って渡り、そのまま進むと舗装もなくなり森の中のダート道になる。車も人にも全く出会わない道は上っている。すると突然森の中に爆発物と写真撮り禁止のマークの表示が見え、続いて幾つかの兵舎も現れる。どうやらオーストリア軍の駐屯地に入り込んだようで、先ほどの“開かずの踏切“は無用な車を通したくないための処置だったことが理解できた。さらに走ると兵士の鋭い視線を感じ、パンパンと射撃音も聞こえてくる。弾が飛んでくること訳ではないがペダルを踏む足は慌ただしくなった。

◆Yajiさんとの再会

6日前にメルクで分かれそれぞれ別行動したYajiさんから空港に近いフィッシャムエントで良い宿を見つけたので、一緒に泊まれるように予約を入れておいたとメール連絡が入っていた。もらったメールにあるホテル名を探してホテルに行くがスタッフも客も誰一人いない。スタッフはいないしどうすれば良いのかさっぱり分からないので隣のカフェで聞くと朝方以外の時間にはオーナーはホテルにいないので電話をかけて部屋の番号を知らせてもらえと言う。レセプションから電話をかけると三階の一室を指定してくれ、鍵は部屋の中にかけてあるという。

暫くするとYajiさんもチェックインしたので、隣のパブで冷たいビールで乾杯しお互いの旅の無事を感謝する。飲みながらメルクから別々に走った旅の報告をお互いにして、安全に終えた旅を締めくくることとなった。(走行距離 63km)

自転車旅行9.28~29 フィッシャムエント⇒名古屋