8月18日(晴れ)
◆自転車旅に対する考え方の変化
きのうの長い長い眠りで体調はすっかり回復したが、正直な気持ち、2日間走ったハンガリーの道には余り魅力を感じないし、さらにこの先に向けて走りたいとの意欲も湧かない。
ルフトハンザ航空からの帰りの自転車積載メールも一向来る気配がないので、この辺りは飛ばして、終盤のザルツブルクでいかようにもスケジュール調整できるようにした方が良いという思いもあり、地図を眺め、考えを巡らせて出した結論は「電車でブラティスラバ」だった。
自分の中にある「自転車旅」の考え方が少しずつ変わってきたようだ。初めて走った2年前には「走る」ことにこだわり、雨の中も厭わず、何が何でも「走る」という狭量な志向があったが、昨年、今年と走りながら経験を重ねると見方が変わってきた。
ひたすら走ることも大事であるが、もっと楽しんで走っても良いではないかと。 そう考えると、電車も良いではないか、雨なら休めば良いではないかと。つまらない気持ちで走るのはやめようと。
◆国境の街
ブラティスラバへの鉄道ルートをフロントで確認すると、すぐそこに見える鉄橋を渡って、スロバキアのコマールノから行くのが最良だと教えてくれる。
ホテルを出発してほんの5分もすると国境を越えスロバキア・コマールノに着く。
ハンガリーのコマーロムとスロバキアのコマーロフを結ぶ国境の橋
コマーロフにてスロバキア入国
コマーロムにコマールノとよく似ている。街の名前だけでなく、ドナウ川を挟んで向かい合った二つの街は国が違っていても一枚の観光地図で紹介されている。
昔は一つの国、一つの街だったのではと想像はつきない。
◆カルチャーショック!
コマールノの古い駅舎の一角に販売窓口があり、駅員と顔見知りの客が楽しそうに長々話しており、私は待たされてちょっと「困ーるの?」であった。
世間話をしているのか女性二人の話はやっぱり長い。
しばらくして後ろに私がいることにやっと気付き笑ってよけてくれる。
いかにものんびりしていい雰囲気。
駅構内に入ると、はるか昔のソ連時代のものなのか驚くほど古い機関車が目に入る。
また途中の駅では線路上を乗客が渡り、小さな村の駅舎は壁がはがれ始めているほど古い。
はたまた畑の中には四角い板があったが、何とそこには駅舎もプラットホームも駅の表示もないが、まぎれもなく駅であり乗客が畑の中で乗降していた。
物質的に恵まれた国ではあり得ない「カルチャーショック!」を受けたが、その恵まれた国もいつまで続くのか心配である。
見たこともないような古さの機関車
プラットホームがなく線路上を歩く乗客達
ちょっと古いが現役の駅舎
ここも立派な駅!畑の中の白い?看板が駅の印
◆ブラティスラバも暑し
初日のブダペストから連日35度を超える猛暑続きで、ご多分にもれずブラティスラバも暑い。
欠かせないのは水分補給でいつもペットボトルを片手に歩かないと参ってしまう。
それでも便利なことに、この街の見どころは一つのエリアにかたまっており、旧市街とブラティスラバ城をコンパクトに巡ることができる。
ミハエル門
この街で一番古いフラベネー広場の旧市庁舎
旧市街から望むブラティスラバ城の遠景