自転車旅行5.24 ピアチェンツァ⇒クレモナ

騎馬像のあるピアチェンツァのゴシック宮殿

5月24日(快晴)

from Piacenza to Cremona

日曜日のポー川の道

朝方ピアチェンツァを出る前にカヴァッリ広場のゴシック宮殿に立ち寄った。広場の名前カヴァッリは馬を意味しており、名前のとおりゴシック宮殿の両脇には立派な二体の騎馬像が配置され、中世イタリアの雰囲気を醸していた。

また、広場を挟んでゴシック宮殿の反対側には18世紀の総督宮殿がありピンクの華やかな色合いで対照的な佇まいを見せていた。

ピアチェンツァの総督宮殿、ポー川を渡ってサイクリング道へ、のんびりした村の景色、ユーロヴェロ8号線の標識

ピアチェンツアからはロンバルディア平原を大きく蛇行しながら流れるポー川左岸に沿って走る。うねうねと続く堤防道路には日曜日ということもあって、本格的なスタイルで走りを楽しむ多くのサイクリストがいる。乗っている自転車はドロップハンドルのロードレーサーよりもむしろフラットハンドルのクロスバイクが多い。

そんな自転車の行く堤防道は相変わらず状態が悪く、至る所にごっそり舗装が欠けてできた穴やくぼみ、杜撰な改修跡の盛り上がりなどがあるので、なるべく路面状態の良いところを選んで走るがスピードは全く出ないし、乗り心地も悪い。更に舗装もない大きな凸凹が続くダート道部分も多く、周りの景色をゆっくり楽しむ余裕もない道だった。

忘れ物で「真っ青」

街を外れて行くポー川沿いのルートは田園風景の中に村が点在するのどかな景色が広がり、快晴の青空の下をのんびりと走る。

青々とした田園地帯の中にポピーの花で赤く見える一角が見えて来ると、ちょうど石で造ったベンチがあったので、心地良い日差しの中、水分補給と写真撮影のために休憩した。

色鮮やかなポピーの畑

ゆっくり休み気分新たに再び走り出すが何かが足らない、何かがおかしい。走りながらあちこち触って持ち物を点検すると尻ポケットにあるはずのタブレットがない!

直ぐにベンチに置き忘れたと気付き2kmほどを大慌てで戻ると、ロードレーサーが一台こちらに走って来る、それも手にタブレットを持って。

地元ライダーのカルロさんが見つけ、イタリアではあまり見慣れないタブレットだったので、行き交った二人の日本人のどちらかが忘れたと思って追いかけてくれたのだった。

クレモナ大聖堂と洗礼堂

恩人カルロさん

タブレットは旅の行き先を示してくれる地図であり、天候や観光など種々の情報を手に入れる手段であり、そして通信手段でもあるので絶対に失ってはならないツールなのでカルロさんには感謝、感謝そして感謝だった。

◆音楽の街クレモナ

誰もが知っているバイオリン職人ストラディバリの出身地で、今もバイオリン工房が数多くある街クレモナが今日の目的地であった。

ちょっと早い到着時間であったがクレモナの街に入って一番にしたことはホテル探し。ストラディバリ広場にいた地元の人に尋ねると、広場の裏手に四つ星ホテルがあり、歴史的建造物が立ち並ぶ観光ポイントにも近くて便利だと言う。

普段二つ星ホテルを泊まる身には贅沢とも思ったがロケーションも良いので、部屋を見せてもらった上で宿泊費を聞いてみるとそんなに高くない。それでも「ちょっと私たちの予算からすると高い」と価格交渉するとあっさり下げてくれるので泊まることにした。

シャワーを浴びてから旧市街を散策すると世界遺産の街ではないがクレモナはこじんまりとしているが見応えある街に思えてきた。高い鐘楼、気品のあるクレモナ大聖堂と六角の洗礼堂が立ち並ぶ小さな広場は中世にタイムスリップしたようで大変に心地が良いスペースだった。

そして、そんな中世然とした光景が一望できるクレモナ大聖堂の真ん前のカフェで昼間から飲むビールは飲めない私にも美味く、贅沢な時間がゆっくりと過ぎて行くのであった。(走行距離 58km)

大聖堂前で飲むビール、美味かった!

自転車旅行5.25 クレモナ⇒マントヴァ