自転車旅行7.11 ランジェ⇒ソミュール(フランス)

From Langeais to Saumur

7月11日(晴れ)

◆朝一番ソミュールへ

ツール・ド・フランスの通過時間が午後4時前後と知り、それまで時間を潰すのも能がないので、午前中にソミュールまで走り、列車でソミュールとランジェの往復をすれば走って、レースを見て、しかも安いホテルがソミュールで探せれば一石三鳥である。

我ながら「グッドアイデア!」と思いながら、朝早めの8時に走り出して森の中をロワール川沿いにひた走った。

暑かった昨日までとは違い北東からの追い風が冷たい位で、普通ならすぐにアームウォーマーを外すのだが今日に限っては暖かくて気持ちが良い。

丘の手前の森の中にお城の尖塔が林立しているのが見える。調べてきたリストにはない「眠れぬ森の美女」の舞台になったユッセ城であった。この辺りはやたらめったら城が多く、ちょっと走ったモンソローにも城があるし、もちろんソミュールにもあり、全部見てたら切りがない。

ソミュール駅

ランジェから帰って4つ星ホテルのフロントで聞くと確かにフランス人のバカンスはそろそろ始まっているが、それでもトップシーズンではない。しかし、この街は何故かこの時期混むのだそうだ。

◆「ツール・ド・フランス」はお祭り騒ぎ

ツール・ド・フランスの通過時間帯はランジェ午後3時から5時である。2時過ぎに着いてすぐに昨日決めておいたベストポジションに行くと、車は手前の交差点で通行止めになり、救急車と消防車がラウンド・アバウトの手前に配備されている。多くの人が出てすでに道の両側は相当に混雑している。

ちょっとした空きスペースを見つけて入り込み、後はじっーと我慢して場所を確保するのであるが、幸い昨日までの暑さとは違ってしのぎやすい。

レースの車列が来るまで暇かと思えばそうではないのである。これが車?というような極々目立つデコレーションした車がクラクションをど派手に鳴らし、大きな騒音のようなロック音楽をかけ、引っ切り無しに来るのである。

そしてどの車からも販促用のばらまきツールがこれでもかとばらまくのである。お菓子、帽子、ペットボトルの水に小物ツールらしきものに、はたまた新聞までばらまいているのである。

多くの人はわれ先に拾い集め、犬を連れて見に来ている人は犬を踏みつけ、すごい勢いで取りまくっている。ただのものには自尊心の高いフランス人も全く関係ないようだ。

「眠れぬ森の美女」のユッセ城

◆ホテルの空きがない!

ソミュールの街に入り、ホテルを探しながら駅方向に向かうと、橋のたもとに何度か泊まったチェーンホテルのベスト・ウェスタンが目に入った。

泊まり慣れた中級ホテルなので気軽に部屋を取れるものと聞くと「フルブックド!」と、そして今日は大変混んでいるので探すのは難しいという。駅前方面に多くのホテルがあるのではと聞くと、「いいえ、恐らく全部満室でしょう」と言い、もしよろしければ近くにあるホテルを紹介するという。

ランジェに行く時間のことを考えると探している余裕などないので話に従って行くと、何と4つ星ホテルで滅法高いではないか。交渉している合間にランジェ行の電車を確認すると時間が迫っているし、それを逃すと3時間半待たねばならず、ツール・ド・フランスもとっくに終わってしまっている。結局高くても泊まらざるを得なくなった。

協賛企業のPRカーのオンパレード

私がカメラを構えている時ドンと何かがぶつかる衝撃が来た。一瞬判らなかったが黄色い帽子がちょうどレンズの辺りに当たって、それを隣のおじさんが素早く手を伸ばし持って行ってしまったのである。そのせいでカメラのシャッターが閉まらなくなってしまった。

後続の大集団

文字通り世界一の自転車レース「ツール・ド・フランス」はお祭り騒ぎでもあることを肌で感じられた。(走行距離 62km)

自転車旅行7.12 ソミュール⇒ルリオンダンジェ(フランス)

先頭集団

サポートカー

◆車列の通過はほんの一瞬

取材ヘリコプターが上空にさしかかり、交差点の先で拍手と口笛が一斉になり始めると、まもなく先行する3、4車がコーナーに入ってきた。一瞬なのでシャッターを切っていると、もう通過してしまっている。そして何台かの伴走車が行き過ぎた後に、大きなレーサー集団が一塊になって殺到、すごい迫力で通り過ぎて行く。この一瞬でレースの総てが終わったのである。