自転車旅行9.10 インスブルック⇒シュヴァーツ

9月10日(晴れ)

From Innsbruck to Schwaz

◆午前中もインスブルック観光

ふだん自転車旅の一日は行動計画は定型的で、なるべく朝早く出発し早めに目的地に到着するのが常であるが、この日は午前中に昨日入場できなかったホーフブルク見学に時間を費やすことにした。

現在ではホーフブルクは博物館として開放されている。内部は豪華絢爛で当時の華やかさが観える。大広間の窓と窓の間にはマリア・テレジア一家の肖像画が飾られ、天井には大きなフレスコ画が描かれている。他の部屋も当時の生活が垣間見える調度品が並べら多くの絵画で飾られている。絵画は今でいう写真だと思うので人物を描いたものが多い。また当時の街を描いた絵画も多くあり、その中にはマリア・テレジア門を描いたものがあり、何と昨日から今日にかけて泊まったホテルも、そのまま描かれている。安宿と思っていたが以外に歴史があるのだと少々驚かされた。

2000mを越えるアルプスの山々が間近に見える朝のインスブルックは清々しい。

◆“チロル“の景観を満喫して走る

子供の頃から“チロル“という言葉をよく聞き、私にはアルプス即ちスイスを連想するものとして記憶していた。具体的には雪を被った急峻なアルプス連山を背景に牛がのんびりと草を食む緑豊かな草原が広がり、昔ながらの素朴な家が幾つか点在する集落があるものがチロルの景色だった。

実はチロル地方はオーストリアとイタリア両国のアルプスの東端辺りを意味し、中世以来ハプスブルグ家のチロル伯の所領で、正にイン川沿いに走り出したアールベルク辺りから、この先進むドイツ国境に近いクーフシュタイン辺りまでが入るようだ。

本来のチロル地方を走るサイクリングは快適である。イン川に架かる木橋を渡り、川沿いに木立の中を走り、広々とした緑の絨毯の一本道を進み、名も知らない街の教会でゆったり休む。空には夏雲が浮かび、2000m級の山々にかかっている。ぜいたくな環境に浸り豊かな時間を過ごす。(走行距離 42km)

9月のなのに山にかかる雲はまるで真夏の様相。そんな暑い中を走る。

自転車旅行9.11 シュヴァーツ⇒クーフシュタイン