今年の旧正月(春節)は、2月1日である。ここ数年、本コーナーで連載してきた小文を、この日をめどに、纏めて紙媒体として出版しよう、と思い立ったのは1年ほど前のことであった。
今までの文章に手を加え、新しい枠組みのもとに編修したのであるが、書き残すということは、曖昧になっている自分の記憶を蘇えらせるという点でも大切なことなのだ、と改めて思った次第である。
公刊に当たっては、和泉書院社長の廣橋研三さんが、出版業界における電子出版物の隆盛の中、紙媒体の長所を重視する立場から、快くお引き受けくださった。
書名については、『ことばの気流-時光速やかに移る』とした。「気流」は、〈動向・趨勢〉といった意味合いであり、「時光」は、〈時の流れ・生活〉といった意味合いである。「時光速やかに移る」という表現は、道元禅師の名言から採った。
本書は、私自身の研究観や生活観をめぐって記したものである。構成はこの春節に迎えた喜寿にちなんで、7という数字にこだわった。章立ても7つ、各章での節の数も(終章を除いて)すべて7の倍数で揃えた。(あくまで自分勝手な遊びではある。)
各章のテーマは、次のように名付けた。第1章「私の研究観」、第2章「70歳からの再生」、第3章「東京時光」、第4章「ことば〈運用〉の背後」、第5章「五箇山情景」、第6章「追憶」、第7章「希望」
(Promotionで恐縮なのですが、手に取っていただけると嬉しいです。)
2022.2.1